2014年6月25日水曜日
独裁者は大変なんだろう
フセイン大統領は勇ましいことを言っていたけども、イラク戦争が始まるとあっという間に雲隠れして、そうして捕まった。確かに本人が言っていたように彼は最後まで戦ったけども、それは裁判でのことだった。
∧∧
( ‥)かっこわる と
( ‥)そういう話は
‐□ イラク戦争どころか
その前の湾岸戦争の時にも
話題にしたことだけど
とはいえ、考えてみれば独裁者からすれば、国民のために格好よく死ぬ義理なんかないのである。確かに口では勇ましいことを言っても、それはアイドルが、私、彼氏なんていません♡ と言うようなものだ。それに、そもそも独裁者からすれば国民は自分の財産でしかない。命あっての物種。自分の財産を守るために死ぬ奴なんかいない。
∧∧
( ‥)それに最高指導者も
人間ですから
死ぬのはいやですからね
(‥ )それもさることながら
あの人たちの
立場からすれば
すごく怖いはずなんだよな
民主主義国家だと、最高指導者が暗殺されることはあっても、代わりがいくらでもいる。民主制の指導者は替えが効くのだ。
∧∧
(‥ )民主制の最高指導者の命は
\‐ 独裁制の指導者よりも
安いのだ
そう言う事もできるね
(‥ )反対に独裁制だと
独裁者一人を殺せば
殺した側は勝利者に
なれるのだよな
独裁制における最高指導者の命は誰よりも高い。この事実は喜ばしい話でもなんでもない。たった一人殺されたら独裁制は終わりだ。攻撃側はそれを分かっているし、独裁者もそれを分かっているはずだ。というか他の誰よりも分かっているのだろう。
∧∧
( ‥)そりゃあ殺される側
だからね
( ‥)独裁制の最大の弱点かもね
‐□ たった一人殺されたら
終わってしまうし
殺される側である独裁者は
全員から向けられる
”殺すぞ”という視線を
意識しながら決断を
しなければいけない
これは想像するに恐ろしいまでのプレッシャーではなかろうか? とんでもない緊張を強いられることになるし、とにかく防御のことを考えざるをえなくなる。
∧∧
(‥ )独裁制はあまり冒険には
\‐ 踏み込まない
そういうことですかね?
(‥ )何をもって冒険とするか
例えば周辺諸国の反発を
押し切って
経済制裁も無視して
国民が餓死することも
いとわずに核武装する
それは冒険であるけども
地位を守りたいという
視点からすると
冒険どころか
単に切実な防御だよね
つまり、冒険かどうか? そういう大雑把な価値観で見るよりも、みんなから殺されるかもしれない、死にたくない、生き残るにはどうすれば良いのか? そういう緊張感で独裁者は選択肢を選ぶ、そう考えた方が理解しやすいのかもしれない。
∧∧
( ‥)日本や先進諸国
あるいは民主制の世界観で
独裁制を評価したり
予測したりしては
いけないだろうと
( ‥)人間は置かれた立場が
‐□ 違うと
行動も考えもまったく
変ってしまうからね
それは考慮しないと
いけないよね
それに、独裁制って言っても色々あるんだろう。例えばスターリンを殺せばソ連が倒れたか、と言えばどうもそうではなさそうである。確かに、いくら稀代の独裁者といっても、スターリンは集団指導体制のトップであった。そうであれば、独裁者が殺されても権力は存続される。
あるいは、王朝の場合だと王様を殺しても王子が生きていれば国家は存続できる。勢力拡大中のオスマントルコ帝国はチムールと激突した時、君主バヤジット1世は敗北、捕虜となるが、イエニチェリ軍団は王子を守って撤退したのではなかったか? そしてオスマントルコ帝国はもう一度再興されることになる。
∧∧
(‥ )フセインさんの権力は
\‐ 王朝としては
存続できなかったよね
息子さんが
ゲリラ戦士になって
反米勢力の中核になる
わけでもなかった
(‥ )直接的には負けて
国土が米軍に
占領されたからだけど
独裁制といっても
条件によって色々なのな
これはhilihiliのhilihili: まあ、お互い何もしないのが上策ですかの続き