2014年5月14日水曜日
僕らの仮説が全部間違っていたら...どうする?
なんの取り柄も無い自称平凡な主人公が特別な能力を手に入れたり、特殊な立ち位置になることでヒーローになり、そしてもてもてハーレム状態へと至る、そういう話を書く事がラノベの原理原則(多分)
∧∧
(‥ )...というのがあなたの
\‐ 意見でしたけども
これが原則であるとしても
他にも色々な意見が
あるみたいですね
(‥ )ラノベは今、
ファンタジーが流行中
学園ラブコメハーレムは
終わりかかっているのでは
ないのか?
今は主人公が圧倒的に
強い、無敵! が流行り
そんな見解もあるみたいね
∧∧
( ‥)どう思います?
( ‥)こういうのってさ
‐□ 仮説が正しいのかどうか
見極め切れないこと
それがやっかい
なんだよな
仮説、ここではラノベの売れ筋はこれだ! とか、今のラノベのトレンドはこうだ! とか、そういう説明や解釈のことだけども、それが正しいということをどう論証したら良いのか?
∧∧
( ‥)やってみて売れなかったら
仮説は棄却されます
(‥ )ところがだ、この手の
”売れ筋に関する仮説”って
基本的に複雑でな
そこが問題
複雑な仮説とは、言って見れば調整つまみが山のようにある機械のようなもんだ。
それゆえに、
ここを回したがこれでは駄目でしたよ。
いやいや、まてまて、それならこっちをちょいちょいとすれば、ほら、説明できた。
こういうことが平気で起こる。
例:ツンデレにしたけど売れなかったですよ? 時期が悪かったのだ
∧∧
(‥ )実際、事実としてそう思える
\‐ こともあるんですよね
(‥ )というか、
事実としてあるんじゃね?
だけど、この発想こそが
どつぼにはまる原因よな
複雑な仮説は駄目だ。だが、事態それ自体が複雑だと、人はどうしても複雑に考えてしまう。
∧∧
( ‥)これ、別にラノベに
限った話じゃないよね
( ‥)本全体、というか
‐□ 商品全体がかかえる
問題だよねえ
まあ、とはいえしかし、仮説が間違っていても良いのかもしれない。
例えば、これからのラノベのトレンドは主人公が無敵状態のファンタジーである、と思って次々にそういう本を作ってみたら、中にはひとつぐらいあたるものがあるかもしれない。
∧∧
( ‥)すると、当たった、という
実績に基づいて類似品を
次々に作り出し、
より良い商品は何か?
それを探り出せるかも
しれない
(‥ )これはあれだな
仮説は間違っているのに
仮説自体が予言を
成就する事で
仮説を正当化してしまう
そういう事例だね
実際には主人公がヒロインに一途なところが売れた原因なのだが、作り手はそうと知らずに次々に本を作る過程で、知らず知らずのうちにそういう結果に収斂していくかもしれない。
∧∧
( ‥)そうなると仮説は
正しくないのに
仮説それ自体は
ますます確からしいものに
見えてきてしまう
( ‥)仮説が間違っていても
‐□ 役に立つ事って
実際にあるからね
熱力学の最初がそうであった。カルノーが理想的なエンジンと効率を算出した時、その発想にあったのは熱を司る元素、”熱素”という存在だった。
∧∧
( ‥)でも実際には熱素は実在せず
熱というものは
原子の振動であった
(‥ )仮説と仮定は間違っていた
だが役に立ったのだ
そして何か決断する時、なんらかの前提、仮説を持たないで判断することはできない。判断するには計画を立てるには、何らかの仮説が是非とも必要だ。
∧∧
(‥ )だからこれからのトレンドは
\‐ ファンタジーだと考えた時
その仮説が間違っていても
良いかもしれない
(‥ )そういうことだね
ただ、困ったことに間違っていたから成果が上がらなかった、ということも当然起こるのである。
間違っていても役立つことはある。だがこれは、間違っているから正しいのだ、ということは示していない。それは当たり前。
∧∧
( ‥)さらに間違った仮説が
役立っていても
間違っている以上
いつか破綻を露呈するよね
( ‥)僕らの信じている仮説って
‐□ その実態は一体全体、
なんだろうね?
全部ではないにせよ、実はなにもかもが間違っているという可能性が絶えずある。
実際、それを傍証しうる証拠が少しだけあるではないか。
ひとつの物事の原因に関する皆の意見が、誰もが自信満々であるにも関わらず、絶えずバラバラだ。全員が見事に物事を説明しているのに同じではない。これはなぜだ?