2014年4月22日火曜日
間違った中二病も物事を説明できる
hilihiliのhilihili: ああ、やっぱ中二病だったんだの続き
アメリカ人は中二病
∧∧
( ‥)でも言い換えれば
日本人も中二病が
必要だと
( ‥)昨今のネットを見ると
‐□ 色々と発明されている
みたいだね
例えば、
漢字を発明した中国人と今の中国人は別物。
∧∧
(‥ )...侵略者や征服者によって
\‐ 先住民が抹殺された
というイメージだね
(‥ )アメリカみたいな
イメージなんだろうけど
中国みたいに
人口が多い土地で
それはないと思うけどな
確かに、中国の王朝はしばしば征服王朝だ。中国の人々がこれぞ中国と仰ぎ見る唐でさえも、実態は中国化されてはいるが北方騎馬民族の王朝である。*唐はいわゆる北朝の系統に当たる。
∧∧
( ‥)むしろ征服者が
呑み込まれておるがな
( ‥)清の満州族みたいに
‐□ 自分たちの弁髪を
強制したって例もあるけど
それでもやはり、満州族は満州族、漢族は漢族だ。
∧∧
(‥ )でも漢字を作った中国人と
\‐ 現在の中国人は別物だと
(‥ )あれだろ?
日本人は漢字を使うし
中国から色々なものを
取り込んだ
そういう文化的な
負い目みたいなものを
払拭する発明じゃね?
拡大指向を露骨に示す最近の中国に張り合う上で発明された理論武装だと思えばいいんだろう。
確かにあちらの人は
日本人は俺たちの文字を使っている! というし
日本人は日本人で、
俺たちが発明した漢字と熟語を近代中国は使っている! と返したりするわけで
そういう言い合いの中で、色々な言い訳や考えや理論武装が必要とされ、そして発明される
∧∧
( ‥)アーリア人は偉大だ、とか
アメリカは特別な国だ、とか
トルコ系言語を話す人々と
その領土は全部トルコとか
そういうのと同じだろうと
( ‥)どれも無茶だけどもね
‐□ 必要とされているわけだよ
必要は発明の母である。そうである以上、これは無茶だろ? とか、これはファンタジーだよね? という理屈がまかり通るし、必要とされるのだ。つまり中二病である。
もちろん、不要になったら人々はこんなもの、さっさと忘れるのだ。
∧∧
(‥ )中国の人は中国の人で
\‐ 三井の船を戦中の賠償だ
とかいって
差し押さえちゃうしね
(‥ )なんというか、あれよな
今しか考えていないのな
そんなことしたら、どうなるか? それを分かってるのか??? もう信用されなくなるんだぞ?? と日本人なら思うけども、言い換えると、あちらの人はあまりそういうことは考えない、ということでもある。
∧∧
( ‥)今だけなのだと
( ‥)中国に行ったことは
‐□ 全部でせいぜい3週間
ぐらいだったけど
あまり違和感ないよね
広い大地、行き交う人々、例えばの話、犯罪を犯した者も、とんでもなく遠くへ逃げることができる。これゆえに当局が頭を抱える世界。あちらがあちらなりに管理社会になるのには、それなりに理由がある。
ともあれこうなると、例えば商売のやり取りは一期一会みたいなものになる。騙して逃げる選択肢が存在し、それをする人間がいる以上、今、確実な利益を取らざるをえない。そうなってしまうと短期的な関係や短期的な売り上げしか取ることができなくなる。というか、それを取るべきなのだ。つまり、集団における最良のふるまいが”今現在”になる。そうなってしまえば、全員の行動がそれに固定される。日本人がお互いを監視することで正しく振る舞えるのと真逆で、中国では明日のことが不確定になってしまう。
日本でも言うではないか、旅の恥はかき捨てである、と。逃亡できるほど広いとは、それが普遍的な戦略になってしまうこと、その可能性があることを示している。
∧∧
( ‥)ある意味、自由だね
(‥ )自由だよ。無法でも
あるんだがな
自由だろうが無法だろうが、それは活気のあることでもある。ぎゅうぎゅうのスケジュールに追われている身からすると、あの開放感たるやただ事ではない。
だがもちろん、これは長期的な計画や視点や投資がまったく意味をなさなくなる、ということでもある。
日本が持つ窮屈さ、真面目さ、計画的さと引き換えの自由、その代償が、これだ、と言えば良いか。
∧∧
(‥ )必然、今しかない
\‐ そういうことになって
しまうのだと
(‥ )今しかないから
開放政策で呼び込んだ企業が
逃げてしまうようなことを
今やっちゃうんだよなあ
むちゃくちゃだよね
もちろん、日本人からすればこう映る。中国は信用のできない国だ、口先だけで人を呼び込み、資産を築いたところで没収する詐欺師の国だ。
∧∧
( ‥)過去と未来がある日本人から
すればそう解釈するのが
当然であると
( ‥)まあ、普通はそういう
‐□ 解釈するんだけどね
言い換えれば、
あっちはそういう世界じゃ
ないってことだよな
広い、広い世界だもの。中国の人にとって、外部に世界がある、という知識はもちろん知っているが、そこには自分たちとまったく異質の世界観とルールを持つ世界が広がっている、そういう概念があるのかは怪しいもんだ。自分たちだけで完結できる世界の人々が、外の何を知ろうというのか。
一方、日本人からすれば中国のこういう行動は何十年も虎視眈々と計算した理詰めの行動に映る。それは、日本人からすれば当然の解釈だし、憤激の元だろう。
∧∧
( ‥)そしてそれは新たな中二病を
発明する元になる
(‥ )それは当然
そして中二病は正しいものである必要は必ずしも無い。間違った理論がそれでもなお役立つ時があるように、誤った中二病も役立つ時があるのだ。
∧∧
(‥ )今度、発明されるのは
\‐ 中国の人は何十年も
陰謀をたくらんでいる
腹黒い策謀家、という
世界観ですかね?
(‥ )典型的な陰謀論だね
あっちからすれば
えっ? なんで?
かもしれないけど
こっちからすれば
それ以外のなんだと?
になるんだろうな
そして間違った陰謀論でも、物事を説明できることがあるのだ。それが中二病というものである。
そして、中二病は絶えず必要とされ、誰かがそれを発明する。