一仕事を終えると、もう日付が変わって20日になっていた。
∧∧
(‥ )先日まで雪の予測が出ていた
\‐ 明日の天気が曇りに
変わりましたね
(‥ )雪が降らないのは
ありがたいことだな
ただ、先日から夜空は薄曇りで、時として月には暈(かさ)がかかる。高い空を氷の結晶が舞っているわけだ。天候は良いわけではないらしい。
∧∧ 星、見えないね
( ‥)
‐( ‥)どうも…火星とスピカの間に
月が入っているみたい
なんだけどね
薄い雲が月を覆い。時に虹色っぽい色を放つ。火星はいまや明るくて、光度0.2等であるアークトゥルスに匹敵する明るさを放っている。いや、むしろそれ以上かもしれない。月明かりに輝く薄雲を通して赤く見えるほどだ。
そう思ってぼんやりしているうちに、だんだんと晴れ間が広がってきた。
左上に赤く明るい火星。中程に月、そしてその脇に青く輝くスピカ。
スピカは光度1.2等。先日まで火星はそれと同等の明るさだったけども。
∧∧ いまや火星の方が明るい
( ‥)
‐( ‥)地球に接近しているのだ
月の光は高空の氷に分光されるらしく、雲は色づいて見えた。
∧∧ まだやることあるんだよね?
(‥ )
‐( - -)ああ、しかし、
しばし休憩するのは
やむなしとしてくれ
天候の不順は春が近い証拠だ。そして雪は溶け。道が開けてきたところである。