2014年1月15日水曜日
海上も地上の道路とそこは同じらしい
以前、小さな船に乗る機会があった。長さは50メートルぐらい。瀬戸内海を航行中、甲板に出て春の嵐の合間に広がった青い海と行き交う船を眺めていると、右前方45度ぐらいから小さな船が猛烈な勢いでやってくるのが見えた。
*あるいは左だったかもしれない。後で船長さんから「ルール上こちらに問題はないのだけど、当たるわけにはいかない」というような発言があったと記憶しているから。
ああ、木造の古式ゆかしい漁船だ。それにしても速い速い。波を切り、跳ねるように向かってくる。というか、これ、衝突コースじゃね? 直行する道路で同じ十字路に向かう同じ速度の車が、一見止まって見える。それに近い状態だ。相手の船はみるみる大きくなっていくが、視界の中ではその位置、ずっと45度。おいおい大丈夫か? ぶつかっても、あっちは木製、こっちは鉄製、沈みはしないだろうが、一体どうなる? ひょっとしたら俺、甲板から振り落とされたりしないだろうな?? こっちの船は速度を落としたように思えたが、なにぶん水上だ、別に止まったりはしない。一方、あちらはむしろ速度を上げたように見えた。
∧∧
( ‥)そうしてこちらの前方を
ほとんどすり抜ける形で
波をかき立てて横断して
いったと
( ‥)後で船長さんに聞いたよ
‐□
さっき、危ない船ありましたよね?
ああいうのはもう避けようがないんだよ。ぶつかってもこっちは大丈夫だけども。それで終わりじゃないしねえ。
∧∧
(‥ )結構そういう事例は
\‐ 多いようであると
(‥ )自分が乗った船は目的地を
目指して
瀬戸内海を航行して
いたわけだ。
つまり東西に移動する
わけだね
だけども、そうでない人もいる。勢い横断することになる。それは当然なのだけども、海上も地上の道路と同様、色々なことが起こりうる。慣れから危ない運転をする人や、暴走する人、居眠りする人、不可解な運転をする人、そういう人々が出るのは道路と同じらしい。しかも、海は二次元の世界で、地上の道路のような線で制限された世界よりも危険を広げる余地はどうも多い。ルールはあれども信号機があるわけではない。長い道路を運転していると眠気や睡眠状態、幻覚を見ることもあるように、自由度があって広く単調であるとは安全であるように思えて、そういう危険性すらはらんでいる。
∧∧
( ‥)ああいうのを見ると
物事に対する見方が
変わる?
( ‥)ぎょっとする経験が
‐□ あるとそれは
印象的なんでな
端的に言うと、大型船に漁船が沈められたとしても、じゃあ大型船が悪者に違いない、ということにはならない。そういうことである。