2013年12月18日水曜日
認識論を自然科学だと思い込んだ報い
SFの悲惨さは、認識論の話を自然科学だと勘違いしている点にある
∧∧
( ‥)人間の認識もまた
自然科学の対象なの
ですけどもね
( ‥)問題はだ、
‐□ 人間の認識は
人間の外部には
存在しないってことだよ
デジカメは言って見れば画素で外部を認識している。
∧∧
( ‥)でも画素が自然界に
存在しているわけではない
(‥ )認識する分にはそれで
良いわけなんだ。
連続した存在を扱うには
区切るしかない。
便宜的に区切らないと
扱う情報があまりにも
大きすぎる。
便宜的に区切る。その区切りで生存が下がらない限り、その区切り方は有効となり、進化の過程で多数派となり
∧∧
( ‥)種族の特徴になるだろう
( ‥)だが、その認識
‐□ それ自体は外部には
存在しないのだ。
画素が実在しないように、SFというジャンルもまた実在しない。そんなものはサルの認識であって、存在などしない。どこにもないのだ。
∧∧
(‥ )実在しないだけなら
\‐ どのジャンルも実在せず
どれもその点では
同じなのでしょうけどもね
(‥ )SFの悲惨さは、
自分たちは
サイエンスフィクション
だから、
科学的であるべきだ
そう思っている点かな?
少なくとも以前見た人々は
そういうところがあったな
認識でしかない自らを、便宜的な方便でしかないジャンルを実在するものとして科学的に考えよう、というのだから、これはまともじゃない。
もちろんそもそもSFはサイエンスではないし、SF小説は論文ではない。
だからそんなもの、単なる勘違いでしかないのだけども、多分、状況はもっと悪い。
なぜかというに、どうも、あの手の人たちのいう科学とは、科学でもなんでもない。単なる演繹と公理体系でしかないからだ。
∧∧
( ‥)むしろ数学でしょうね
(‥ )でも数学のような
証明でもない。
つまり数学っぽいけど
雑なんだよね。
数学もどき
と言うべきかなあ
あるいはもっと適切には数学を宗教だと考えていたピタゴラス教団と言うべきか。
あるいはこれよりも、もっと雑。実際、SFはユークリッド原論のような公理的な成果を生み出してはいない。
いずれにせよ、これでは悲惨な結果を招く事、必定。
∧∧
( ‥)認識に基づいた
実在しない概念を
前提として
演繹的な公理体系を
雑に述べる。
(‥ )存在しない前提に基づいた
いい加減な文法と文章
これでは
何も言っていないことと
同じだろう。
存在しない確信、ありもしない前提、外部にはない認識、現実について何も語れない論理、この組み合わせから出てくる結論が意味あるものになるわけがない。
∧∧
( ‥)まさに悲惨
( ‥)これで残るのは
‐□ 存在しない確信に基づいた
根拠のない確信だけだ
こうなるともう、
惨劇だよな
つまり、宗教だってことになる。まさにピタゴラス教団。
いや、もっとさらに悪い言い方をすればプラトンだ。
∧∧
(‥ )あの人は定義集を作ったり、
\‐ アトランティスを書いたり
してるしね
(‥ )まさに演繹的なSF作家
だろ?
いや、演繹的な振りを
装っているSF作家かな
プラトンが、彼らの論理では都合の悪い無理数を抹殺しようとしたのは、こう考えるといかにもさもありなんという話だ。*そもそも古代ギリシャ語で無理数はアロゴス、つまり、非論理的、という意味になる。
∧∧
( ‥)でもむしろ数学は
新しい定義を作成することで
より発展してきた
(‥ )じゃあそれができないと
どうなるか?
事実、それが出来なかった
ギリシャ哲学や
ギリシャ数学に
何が起こったか?
考えてみると良い
そしてひるがえれば、ここにはSF魂がない、とか論理なんだか非論理なんだか叫んでしまう人がいる。こんなトンチンカンなことを真顔で言い立てる人がいて、しかもそれを科学の名において正当化できるようでは、ジャンルが衰亡するのは当然。さながら、ありもしない前提を申し述べて理屈だけで争っているうちに内ゲバで衰退していった左翼のごとく。
ところで
∧∧
(‥ )アトランティスって
\‐ 今から考えれば
ヤンガー・ドライアス期に
地中海へ攻め寄せてきた
ことになるんだよね
(‥ )氷河期末期に起きた
北米氷河湖の大決壊、
北大西洋への淡水の大流入
メキシコ湾流の衰退
熱の輸送が途絶えた西欧の
再寒冷化、気候の大変動
そして押し寄せる、
北大西洋の雄
海洋帝国アトランティス
偶然の割には、
なんかうまく出来た話だな
*ヤンガー・ドライアス期:およそ1万2000年前に起きた、北米氷河湖の大決壊に始まる気候の再寒冷化のこと。プラトンの設定だと、この時代、アトランティスは北大西洋、ヘラクレスの柱の彼方から地中海に侵略を開始したことになっている。