2013年10月3日木曜日
信仰するご本尊はもう少し脱力系が良いと思います
hilihiliのhilihili: 人生はもっと手を抜いた方がよくね?の続き
∧∧
( ‥)例えば
( ‥)彼は論理で考えれば
‐□ ビジネスを
やっていくことが
出来ると考えていた
例えば
経験に基づいて論理的に考える
というようなことを平気で言う。
そこで聞いてみる
経験から一般論を導くことは論理ではないよ?
そんな馬鹿な
ではこれはどうか? 三角形Aの内角の和は180度だった。三角形Bの内角の和は180度だった。これらの経験から考えて、すべての三角形の内角の和は180度である。こんな答案を数学のテストで書いたら、どうなる?
すると彼は遠くを見て、それから全然違う話題を始めた。
∧∧
( ‥)逃げた?
(‥ )まあ、そうだろうな
一部の経験をもって、そこから一気に拡張して一般論を導く事は論理ではない。少なくと演繹法ではない。これは帰納法であって、ここには論理の飛躍がある。
あるいは次のように問う。
すべての人は死ぬ
ソクラテスは人である
ゆえにソクラテスは死ぬ
すべての衛星はチーズで出来ている
月は地球の衛星である
ゆえに月はチーズで出来ている
∧∧
( ‥)論理の構造はどちらも同じ
AはBである
CはAに包含される
ゆえにCはBである
(‥ )論理的にはどちらも
一緒なのだ。
しかし彼は言った。それは間違っていると。
いやいやいやいや、論理ってこういうことよ?
どうも彼にとって、論理とは経験的に正しい前提に基づいた間違いのない結論、のことを指すらしい。
それなら次のように考えてみよう。衛星がチーズでないことを経験的に論証せよ。
∧∧
(‥ )どうしたもんですかね
\‐ 一応、万有引力の法則から
それぞれの衛星の密度は
推論はできますが
(‥ )密度の推論=組成の証明、
ではないぞ
太陽系の天体は同じ起源を持つと仮定する。太陽は太陽系の組成を代表していると仮定する。地球に落下してくる隕石は、太陽系生成時の残りではないか、と仮定する。これらから考えて、鉄と岩石と水が衛星を作る主要な成分であると考える(ここでようやくチーズの可能性が、一応は排除されました)。それらの物体の密度から考えて...
∧∧
( ‥)日常的な考えでは
無理のない推論と仮定ですけど
実は、この推論の流れは
飛躍だらけでもありますね
(‥ )太陽のスペクトルが元素を
示していると考える、
隕石の組成が
太陽系の組成を反映すると
仮定する。
こういう推論の過程を
経験的な論証へ
還元するのは困難か、
あるいは不可能だ
衛星1はチーズではなかった、衛星2はチーズではなかった、ゆえにすべての衛星はチーズではない、そう経験的に、帰納法で論証するか? どうやって?
アポロが月の石を持って帰った? ほう、関東の表面は赤土で出来ているけども、すると地球は赤土の塊なのか?
あるいは
太陽系の天体は同一の起源を持つ、最大の天体である太陽の組成は太陽系の組成を代表する、ここから衛星の密度と合わせて考えて、月がチーズでないことを論証するか?
だが、まずこの仮定、
太陽系の天体は同一の起源を持ち、太陽はそれを代表する。
この前提を経験的に、あるいは帰納法で正当化できるか?
できるんだよね? 論理と経験があれば何でもできるんだよな? さあ、それが正しいなら雑作もあるまい。答えろ。
∧∧
(‥ )論理と経験は論証において
\‐ 必須なものですけども、
それだけでは、あまりにも
無力ですね
(‥ )僕らは日常において
もっと大胆なことを
しているわけだ。
論理よりも経験よりも、もっと自由で軽やかで、お馬鹿かもしれないが、それでもなお有効だ。そしてそこから先にこそ論理や経験が出る場面がある。
∧∧
( ‥)真面目な人だけが
論理と経験だけ、と
やたらと狭いことを
言い出すのだと
( ‥)なんていうかね、
‐□ 意識高い系とか言うの?
無駄に真面目すぎて
空振り気味だよな
まあ、しょうがない側面もあるんだろう。ビジネスにおいて必要なのはしばしば決断で、決断には絶えず破産の恐怖がつきまとう。つまり、”できるビジネスマン”には宗教が必要だ。ややこしいことに、意識高い系は宗教と神を馬鹿にしていることが多いようで、ゆえに彼らには宗教に見えない宗教が必要となる。
∧∧
( ‥)それが論理だ演繹法だ
帰納法だ、ですか
(‥ )それだと
月がチーズでないことすら
論証できないのだけど、
必死なもんでなあ
ご本尊にしちゃうのね
信仰するご本尊は、もっと肩の力が抜けたものの方が良いのではないか? そうでないと常識の向こうへ飛べないだろう。
∧∧
( ‥)常識の向こうへいきたくない
そう言うかもよ
(‥ )ビジネスチャンスを
つかみたいと言う奴が
常識の向こうへ
飛びたくないとな!??