2013年10月20日日曜日
黄昏の惑星
映画プロメテウスなるものがあったという。
∧∧
(‥ )映画「エイリアン」の
\‐ 前日談みたいな感じで、
エイリアンが生物兵器みたいな
位置づけだとかなんとか
(‥ )あらなんか残念ね
人間のような異星の生物にまで寄生するような生き物だもの、おまけに猛烈な速度で繁殖する。
∧∧
( ‥)ということは
(‥ )エイリアンとは、
環境が非常に厳しくて
良好な条件が出来たら
ただちに繁殖しないと
生き延びられない惑星の
出身だと思っていたんだが
繁殖するエイリアンたちのコロニーを見つけ出し、兵隊たちの攻撃もまるで意に介さず、一方的にもしゃもしゃ食べるでっかいアリクイのような動物が闊歩する恐るべき世界。
∧∧
(‥ )そういえば蟻さんも
\‐ 蟻酸を防御に使ってるのに
人間は料理に使うし、
アリクイさんはぼりぼり
食べちゃいますからね
*ツムギアリは東南アジアでは料理にも使われます。
(‥ )エイリアンが持つ防御用の
強酸の体液、
宇宙船の設備も溶かすって
なんだよそれ、なんだけど
それに耐える素材を
エイリアン自身が
実現しているのなら、
同じ惑星の同じ系統群なら
やはり実現できるからね
巨大な突起で外装を破壊し、でっかいべたべたの舌で、べろんべろんとコロニーを舐めとり、きゃーっと悲鳴を上げて逃げ惑い、卵を守ろうとするエイリアンたちを片っ端から取っ捕まえて、ぼりぼり、がりがり、ぺちゃくちゃ、ぴちゃぴちゃ。強酸の体液ぐびぐび。
∧∧
( ‥)エイリアンさんの宿主も
色々いるんでしょうね
(‥ )ばかでかいイモムシや
人間のような姿だけど
それなりな防御手段を
持っていてな。
猛烈な匂いのする劇薬や
音波兵器を持つ猿。
針金サイズの刺胞を
持つ牛のような
イモムシたちが徘徊して
いてだな。
年老いた太陽は核融合反応の終末を迎えてすでに赤く膨らみ、赤色巨星になりかけて空を覆う。たそがれ、長い進化の歴史を経た暑い惑星は、巨大な樹木のような、あるいは珊瑚礁のような生物構造に包まれ、数百メートルに達する光と闇が織りなす世界。森と木々の間を旋回する、鷲よりも巨大な狩り蜂。カラスのようにつきまとう寄生バエのような翼竜。あらゆる箇所に罠を張り巡らせる、クモを思わせる脊椎動物たち。巨大な体躯で待ち伏せしながら、自らと比べればはるかに小さなエイリアンたちをちまちま襲う、ヒキガエルを思わせる山のような甲殻類。はるか頭上の枝と茂みから、長駆をひるがえして襲ってくる大蛇のような多足類。岩のように見える甲羅と、その隙間から猛烈な勢いで首を伸ばして獲物を呑み込もうとするライオンのようなカタツムリ。擬態し、あるいはその柔らかな体であらゆる隙間にひそみ、獲物を狙う沼のようなコウガイビル。超硬質の皮膚を持ち、長い足を持って三次元を自在に駆け回る草食獣としてのヤスデ。そして彼らを追いかけ回す、ヒョウのような脊椎性の昆虫。エイリアンでさえも容易にまっぷたつにしてしまう巨大な顎をかしかしと開閉させ、獲物を探し、得体の知れない感覚器官をぐりぐりと蠢かす。
∧∧
(‥ )そういう話じゃないみたいよ
\‐
(‥ )残念。望むものは
自分で作りなさい。
そういうことか。