2013年7月9日火曜日
謎の扉は、ほら目の前にあるよ
hilihiliのhilihili: 派生形質で派生形質が消えるの続き
∧∧
( ‥)でっ?
( ‥)以前な、分岐学について
–□ こんなことを言っている
奴がいてな
甲虫の分岐解析を見たら、成虫と幼虫で結果が違うのです! がっかりしました。
∧∧
( ‥)...ああ、たぶん、保育社の
甲虫図鑑の記述を見たの
でしょうね。もちろん、
本の記述は、
このケースでは
成虫と幼虫では系統解析の
結果が食い違うよ、
ということを言っているだけ
なんですけどね。
(‥ )食い違うってことは
そこで何か起きてるって
ことなんだけどな。
論文のネタにだって
成りうるよね。
それは成虫同士が収斂進化したのかもしれない。反対に幼虫が収斂しているのかもしれない。あるいは外群比較がおかしいのかもしれない。我々が暗黙のうちに前提している系統仮説がそもそもおかしい、という可能性だってあるだろう。
∧∧
( ‥)いずれにせよ、食い違いは
究明すべき謎がそこにあるよ、
そのことを示している。
( ‥)相対性理論だってさ、
–□ ニュートン力学じゃ
説明できない誤差を
説明できたから
衝撃を与えたって
側面があるんだけどな
そういう科学の歴史を知らんわけじゃあるまい?
科学には絶えず、いつも、どこかに、得体の知れない食い違い、奇妙な出来事がある。
名を残した研究者ってのはそれに立ち向かった人々だ。
だのに、食い違うのです! がっかりしました! ってなんじゃあそりゃあ?
だから思った。ああ、この人が学生だったら、もう駄目だ。使い物にならない。あるいはこう、言われるがままに作業をするだけの人間に成り果てるだろう。
∧∧
( ‥)一般の人だったら?
(‥ )好奇心がないよね。
なぜだろう? と
考えないわけだ。
知りたいだけなんだな。
知識、知識、知識、
詰め込んだだけの
胃袋じゃないか。
知りたい。
ああ、
だが、知ってどうする?
知ったことの確からしさはどこにある?
なぜ謎に注目しない?
∧∧
( ‥)知識を覚えたいだけだと
( ‥)むごい話よ、
–□ 知りたいと
願ったばかりに
目の前の扉に
まるで気づかない。
当然、鍵も手にできない
知りたい。そして真実を知った。これらすなわち死に至る病。
分かろうとするんじゃない。歩け。なにがなんでも。探せ、扉を。手にしろ、鍵を。
∧∧
( ‥)そうはいってもね、いつか
歩けなくなるんですよ。
謎に関心も示さず、
分からないに気づく事も
なくなるんですよ。
すべてが知った世界に
閉じていくのです。
あなただって所詮はそうだ
そして全員そうなる
例外は、無い。
( ‥)...ああ、死ぬっていやだな