丘の上から町の灯を見ていると、丘の下の家にいる犬が吠え始めた。奴が吠えると、近くの切り通しを固めたコンクリートの壁でそれが反響し、1秒程度遅れてこだまとして返ってくる。いつものことである。
∧∧
(‥ )わんわん吠えると
わんわんと返ってくる。
それでまた吠え始めてます
(‥ )あいつ、自分のこだまを
敵かなんかだと
思っているのな
相手は自分のこだまだから、自分から吠えるのを止めない限り、”相手”は絶えず吠え返してくることになる。
いつも思うけども、あやつは死ぬ最後の日まで吠え負けた、という思いを抱いて過ごすんだろうか。