2013年5月1日水曜日
変わらない話
∧∧
(‥ )そういえば、シーラカンスの
\– ゲノムの進化速度は
姉妹群の陸上脊椎動物とかに
比べると遅い、という
論文が出ましたよね。
(‥ )今、読んでる。もちろん
それだけじゃ不足だから
何を読むべきかを
リサーチ中だ。
∧∧
( ‥)何を読むべきか、をね。
( ‥)読むべきものが分からん
–□ では、読むべきものが
読めないからな。
僕らがしてしまうありがちな勘違い。
自然淘汰が無くなれば生物はシーラカンスのようにずーっと変化しなくなる。
∧∧
( ‥)というのは間違いです。
(‥ )淘汰が無くなれば
生物は一定の形態を
保てなくなるからね。
AからB、BからC
多型状態の過渡期も
含めて次々に変貌して
いってしまう。
生物とは変貌するものであり、これを一定に保つには持続的な圧力が必要だ。このことに最初に気づいたのは、たぶん、ダーウィンだった。
∧∧
( ‥)少なくとも、生物は
なんらかの圧力がないと
形態を維持できない、
これを論証の土台にした
のはあの人が最初でしょうね
( ‥)だから、もしダーウィンの
–□ 時代にシーラカンスが
見つかっていたら、
彼は、あれを自然淘汰の
証拠として使っただろうね
この論法は、ちょっと賢い人には、例えば、生物は本質的に変化しないものだ、シーラカンスは進化を否定している、と考えてしまう人には面食らうものだ。しかし、それは理解の前提が間違っているから面食らうのだ。
形態が何千万年も変化しない。それは自然淘汰の力で、ある一定領域に生物が押し込められていることに他ならない。
∧∧
(‥ )? でも、シーラカンスさん
\– あの形態の何がそんなに
フィットするんでしょうね?
(‥ )あれでない姿になれるのは
過去の化石から明らかだ。
でも、生き残ったのは
あれで、しかも彼らの
系統群ではふつーの
ずーっと代わり映えの
しないあの姿だった
というね。
∧∧
( ‥)そんなに良いの?
(‥ )分からん、それを含めて
文献があるのかをまず
調べないといかんよね。
∧∧
( ‥)なかったらどうします?
(‥ )見つかりませんでした
としか書けないなあ。
まあ、探すにこしたことはないんである。