2012年12月2日日曜日
本ってのは掃き溜めっぽい部分がある
人間は均質化され、よく調整された大量生産品ではない。同じ物事を見ても反応がそれぞれ違う。
∧∧
( ‥)さりとてばらばらでもない
(‥ )平均的な反応が一番多くて
それ以外が順次減る、
おおむねそんな分布だね
僕らは離合集散する知識と言葉と遺伝子の渦であり、ネットワークだ。
∧∧
( ‥)言葉と知識と遺伝子の網、
その結節点があなたがた
一人一人、いわゆる個体
ですよね
(‥ )言い換えてしまうと、
個体は便宜的な概念でしか
ないんだ、
実体はある、さわれる
実在もする、さわれる
だけど実在物そのもの
ではない、とも言えるよね
少なくとも、知識と言葉と遺伝子の網が実在なら、そこから便宜的に任意に切り出したのが個体である、ということになる。そういう意味合いでは、私たち個人は実在、あるいは実在物そのものではない、とも言える。
*実在、実体という言葉をどう使うのかは頭の痛い問題
*とはいえ、事実、細胞の系譜で考えると、私たちに境界線はない。受精卵の発達の過程のどこからを人間とみなすのか? という議論に決着がつかないのは、境目がそもそもないせい。
*一方、では網全体が何か考えているのか? というと何も考えてはない。例えばの話、地球の大気現象は台風を生み出そう、これを作れば温度の不均一を解消できる、なんてこれっぽっちも思っちゃいないだろう、ということと同様。
∧∧
(‥ )そして一番ありきたりな
\– 組み合わせが一番多い
(‥ )つまり、少数の意見を
基礎にすると、いつまで
たっても少数派、という
ことになるな。
∧∧
( ‥)少数派の人は自分たちを
分かってくれない
多数派を憎むようになると
(‥ )こんなことも分からない
馬鹿と揶揄したり、
あるいは、彼らは
騙されている、
目覚めていない気の毒な
人たちだ、
という上から目線
ありがちよな。
∧∧
(‥ )でも、多数派の人はいつまで
\– たっても多数派ですよ
(‥ )そりゃそうだ、渦巻く知識
言葉、遺伝子、いきなり
変わるわけが無いし、
状況もそうは激変しない。
∧∧
(‥ )今度の選挙でも、以前、民主に
\– 投票した馬鹿はまた詐欺政党
に投票するんだろ? という
意見もありますね。
(‥ )いやあ? どうだろう?
試してみた、痛かった。
ほとんどの人間は
じゃあ、やめた、だよね。
痛かった、またやってみよう
なんて奴は平均人間には
いやしないよ。
∧∧
( ‥)まあ、そんな情報や知識や
遺伝子があったら、
単純に考えて死んじゃい
ますからね
(‥ )僕らはゾウリムシと同じさ
痛い、あっちにいこう
良い匂い、こっちにいこう
痛い、あっちにいこう
良い感じ、こっちにしよう
単純だが、解を求めるように
出来ているわけさ。
∧∧
(‥ )言い換えると、少数派の人は
\– 多数派を永久に憎む、
そういうことですけどね
(‥ )本を読んでご覧よ、
無駄に知識だけあって、ゆえに
無駄にすばらしいことを
思いついたが当然無視されて、
オレを無視するお前らは馬鹿だ
そういう恨みと憎しみを
書き連ねた本は
いっぱいあるよ。
∧∧
( ‥)普通の人は本なんて書きません
からね
(‥ )普通でない仕事をしている
だけでも浮いているのさね
当然、内容も恨み節に
なりやすいのよな
まあ、本っていうのは掃き溜めっぽい部分がある。