2012年10月29日月曜日
うさぎさんマーク大爆発
∧∧
(‥ )月のうさぎさんマーク、それ
\– 自体が衝突痕ではないか?
というレポートです
=>*
(‥ )ああ、それはすごいねえ。
論文を読まなきゃいかんけど
衝突の際に溶けて、
生成された鉱物の分布から
推論する。直径3000km
とんでもなくでかいなあ。
しかも月で最大と言われていたサウスポールエイトケン盆地、直径2500kmよりもでかい。
∧∧
( ‥)なんか腑に落ちますか
(‥ )最大級のクレーター、
エイトケンでさえ
溶岩の噴出がほとんど
ないのに、なぜうさぎさん
マークは溶岩に厚く
覆われているのか?
あれ自体がまるまる衝突痕だっていうのなら、ああ、エイトケンで起きないことも起きるんだろう。
∧∧
(‥ )地殻を剥ぎ取ることによる
\– マントルの減圧溶融。
(‥ )理屈の上ではありうるの
だよな。深部マントルは
圧力が高いから浅い場所
では溶けてしまう温度でも
固体のままだ。のしかかる
圧が十分に下がれば
溶けるよね。
地球だって、海嶺の火山群はそうらしい。プレートの移動にともなってマントルが上昇する際、深部の高温を保ったままのマントルが上がってきて、減圧されて一部が溶けてマグマを作ると考えられている。
*まんますべてが溶けるわけではない
*一応書いておくと、岩石であるマントルも”流れる”ので浮力があれば上昇する。対流するから液体だろう、とか考えずに、レオロジーという学問を調べよ
*日本にあるような、私たちになじみのある火山とマグマは減圧ではなく、水による融点の降下で出来たもの
∧∧
( ‥)でも地殻を剥ぎ取って上の重さを
取り除いて減圧って、プロは
ともかく、僕ら素人は簡単に
ああ、そうなんだ、と
言っちゃうけども。
(‥ )そうねえ、例えば地球だと
地球の地温の上昇のグラフと
マントル(カンラン岩)の
ソリダスのカーブを見ると
50km以上、つまり
地殻どころかマントル上部
まで剥ぎ取らんと減圧で
溶けないようなのよな。
*ソリダス 固体だけの固相と固体と液体が平衡する状態の境目のこと。ようするにこの場合、岩石が溶けるか溶けないかのライン。
実際、地球にある大小様々、最大級で200キロのクレーターを見ても、そんな火山噴火が起きたような痕は見当たらない。
じゃあ、もっと、ずっと、はるかにでっかい隕石が衝突すれば50キロぐらい楽勝・・・なのか? 地球で最大級のクレーターを作った隕石は直径10kmだけども、月のエイトケンなら衝突したのは、おそらく120kmクラス???、これならいけるか? と思って調べてみても。
∧∧
( ‥)ところがクレーターの直径と
深さのグラフを見ると、
直径は拡大しても、深さは
10kmぐらいのところで
グラフが折れて、それ以上は
いかないんですよね
*「クレーターの科学」
東京大学出版会 参照
(‥ )そもそも月のクレーターを
望遠鏡で見ても、そんな
深さが50キロでございます
なんて形はしてないのよな。
50キロ掘削くらい楽勝でしょ、と楽観的に簡単に言える人は多分、望遠鏡で月を見たことがないんだと思う。
そもそもサウスポールエイトケン、直径2500kmのクレーターでさえ、マグマがばんばか噴出したわけではない。
だから、なんで巨大クレーター、エイトケンを差し置いて、ちっちゃな、いかにも複数のクレーターの寄せ集めに見えるうさぎさんマークがあんなにごぼごぼなの? とは疑問には思っていたのだけども。前の話題=>*
∧∧
( ‥)うさぎさんマーク自体が
衝突痕だって言うのならね。
(‥ )あれほどどでかいと、
もう常識をすっとばして
減圧で溶けるほど地殻を
はぎとるような大惨事を
引き起こすのかもしれないし
そうでなくても、
地殻に断層を入れて、それで
あるいは後で溶融した
マグマを地上まで導くのかも
しれないし、すごいね
月のマグマ自体にも謎があるけども、うさぎさんマーク自体が衝突痕だってのは、これまたすさまじい話になってきたもんだ。
*前に述べたように、地球の地殻やマントルの粘度を考えると、月のクレーターは地質学的には短時間で流れて消えてしまう。だが実際には残っている。つまり月は地球よりも固い。それは道理、地球よりも月は冷えているし、融点降下をもたらす水もないから。だが、それならなぜマグマが噴き出るのだ? という根本的な疑問=>*
*そして、マグマが噴出した年代とクレーターの形成年代にずれがあるというのはどう解釈すべき? という補足。
∧∧
( ‥)まあ、言ってしまうと
ですよ
(‥ )月は萌え萌えだね。
*2012.12.30追記 次も参考のこと=>hilihiliのhilihili: 5年ごとに変わるって都市伝説でしょ