2012年9月21日金曜日
認識の牢獄
この宇宙はコンピューター上でシミュレーションした世界である
∧∧
( ‥)そういう妄想とか思考実験
発想、物語、設定は多いです
よね
(‥ )とはいえ、その発想の
根幹には多分、次のような
前提があるんだよな
この宇宙もこの世界も、有限の能力しかない演算装置で処理できるもので、有限回数の手数で出力できるものである。
∧∧
( ‥)まあ、意地悪な言い方を
すれば確かにこの宇宙の
現実は有限回の処理で
再現できるようになって
いるかもですけども
(‥ )円周率が割り切れないのは
数学上の話で、実測すると
100万桁で、
以下切り捨て、という
コードが出てきておしまい
そういう世界でした、
というオチがあるかもね
とはいえ、今のところ、この世界がそんな世界であるという証拠はない(*時空が不連続だ、最小単位がある、という理論はあるけども、これが以上を可能にするのかどうかは知らない)。
∧∧
( ‥)世界のすべてを演算装置で
再現できる。化石なんか
見なくても過去存在した生物を
全部再現することもできる
そう言った人もいました
(‥ )まあ、妄言なんだけども
ここにもやはり前提がある
この世界は有限回の処理、それも演算装置が出来る限り、その範囲内における処理でも、答えを寸分違わず、正確に再現できる世界である。という前提
∧∧
( ‥)ありえないと
(‥ )ありえないね。
少なくとも無理数を
どう”正確に”処理する
つもりなんだ? という
ことさ。
無限に向けて開けた数を正確に、有限回数で再現するっておかしくね?
∧∧
(‥ )ざっくりならそれこそね
\– 無限に開けた数も実生活で
不便ない程度に再現は
できるのですよ
(‥ )正方形の対角線はルート2
円を描いて円周分のヒモを
切り出せば円周率だからな
数字も3.14で十分だしね。
∧∧
( ‥)でも、そこにあるのは誤差が
あるけど、これで十分でしょう
という世界観であって
(‥ )例え自然界に無理数があっても
有限回数で絶対正確な答えを
導きだせる、という
訳分からん話とは違うぞな
∧∧
( ‥)それでも再現できるのだ
絶対的に、という発想を
してしまうというのなら
( ‥)それはさ、無理数を
念頭に入れていないって
ことなんだよ、おそらく。
∧∧
( ‥)つまり
(‥ )プラトンやクロネッカーの
ことを笑えるのか?
という話でもある。
世界を演算装置で完全に再現できる。そういう発想は意外に多い。だが、それを信じている人は忘れていないか? 学校で無理数を教わったことを。
∧∧
( ‥)言い換えると
(‥ )みんなさ、自然数だけで
物を考えているんじゃ
ないのかい?
そう考えると、クロネッカーやプラトンが自然数にこだわって無理数を無視、隠蔽しようとしたことは、実は人類が持っている特性の一つで、これは一種の病巣、あるいはもっと的確に言うと神経組織に制限されている認識の牢獄ではないのか? という疑義。