2012年9月13日木曜日
古代の戦士
*の続き
クセノフォーン「ソークラテースの思い出」
*クセノフォン「ソクラテスの思い出」
∧∧
( ‥)どうよ?
( ‥)うん、取りあえず、
–□ ざっと読んだ
∧∧
(‥ )政界にうって出ようと意気込む
□- のはよいけども、国の収入も
支出も知らず、海軍、陸軍の
兵員も知らず、守備隊に
必要な数も把握していない
若者の話が出てきますね
(‥ )削減どころか、守備隊は
全廃しようと思います
だって土地の産物が
盗まれているではないですか!
という意見に、
守備隊を無くしたら
盗まれるどころか略奪
されるよねー、とソクラテスが
冷静な突っ込みを入れるのな
口先だけの理想論で政治を変革しようと意気込む人は昔からいたってことらしい。
∧∧
( ‥)でっ? それはそれとして
他はどうですか
( ‥)うん、興味深い
–□ 「戦争の起源」に
取り上げられた話も
確認した。
∧∧
( ‥)どう思います?
(‥ )そうねえ、ポリス諸国は
戦争の変化になんとか
ついていこうと
必死なのだけども、
状況を把握仕切っていない
仕切れない、そんな感じかな
∧∧
( ‥)ソクラテスさんは実戦、
–□ それもてひどい敗北の経験者
なせいか、戦争に関する提言が
妙に具体的ですよね
(‥ )状況の変化に対応しようと
新しい提案をしてる。
思い出としてソクラテスの
言動を紹介する著者が
軍人としての経歴が長い
クセノフォンだからかも
知れないけども、
非常に興味深いね
あと
∧∧
( ‥)彼の哲学や倫理学は
後代のキリスト教徒とかと
主張は似ているのですね
世界も人間も調整された
存在で、神という知性体
によってそれは
なされているのだ、という
( ‥)ソクラテスに進化論を
–□ 教えたり、説明したり
したら、どうなっちゃう
かねえ
∧∧
(‥ )人間の道徳も、神によって
□– 調整された共通設計のように
考えていたみたいですね
(‥ )人間の知能や哲学を
生み出す頭脳でさえ
性淘汰、もてたい、もてるで
進化した、と知ったら、
そういうアプローチが
現在行われていると
知ったら、ショックで
寝込むかな?
あるいは、なぜ、どうして? と質問し、現代科学が知らないことだらけであることを認めさせるだろうか?
∧∧
( ‥)現代の科学者からすれば
え? 知らないから
調べるんだろ?
無知の知ってあなたが
言った事だよね? で
話は終わりですが
( ‥)あるいは論証そのものの
–□ 選択基準が何も保証しない
ことを指摘するだろうかね?
もちろん、選択基準は経験的に妥当”みたいだよ”と言う事はできるが、それが絶対的な何かで保証されているわけではないし、保証できないし、別に保証されなくても良い、ということぐらい、現代人はとっくに知っている。仮にソクラテスと、この非常に機智に富んでいたと思われる古代人と現代の科学者が話し合ったら、どういう会話になるだろう?
あと
∧∧
( ‥)あと、ソクラテスさんの
裁判ですが
(‥ )クセノフォンのこの記述を
見ると、国法に従うは是なり
もさることながら、
あえて戦場へおもむき、
死ぬと分かって
いやむしろ、死に場所を
求めて法廷へ飛び込んで
いった、そうとも読める
かなあ。
その意味では、戦士らしい死に方を選んだのではなかろうか。