2012年8月14日火曜日
センスオブワンダー
∧∧
(‥ )技術立国なのだから子供達に
\– 科学のセンスオブワンダーを
教えよう、という意見
(‥ )そんなのどうでもよくねえ?
教えなきゃ興味持たない
ようなやつは、ゴミかす
だろう 役に立たんぞ
∧∧
( ‥)あんまりな言い様です
(‥ )でもあれよ、興味がある
だけじゃどうにもならない
のが科学よ? 興味持った
やつを増やしたって
使えないべ
∧∧
( ‥)競技人口が多い方が
強い、というのはあなたも
言ったことですよね
( ‥)じゃあ、必要なのはむしろ
–□ 道場に相当するプレイルーム
だよな。そして訓練された
教師だ。普通の教師では
無理だね。科学は専門技能
だからな。
ああ、思い出す、ある時、某比較的大手の出版社に持ち込み企画にいったのだった。所詮は人づての持ち込みで、相手は仲介してくれた人のメンツを立てて会っているだけで、なんの興味も持っていないのは、まあすぐ分かった。
∧∧
( ‥)でもそんなことはどうでも
よいことで
( ‥)編集者が愚痴るのだ、科学もの
–□ は売れないんです。最近の子供
は科学に興味ないんですよ
そういう風にね
そこで聞いた。「ロケットが飛ぶ原理って説明できますー?」
∧∧
( ‥)その人、説明できなかった
のですよね
(‥ )ロケットと宇宙の本を編集
したのにそのていたらくなんだ
もちろん、編集者が全員そんなわけはない。自分で調べ、取材し、下調べの後、企画を出し、調整し、社内で根回しを行い、著者を探し、イラストレーターを探し、監修者にオファーをとって依頼し仕事を把握してこなす人もそりゃあいる。
∧∧
( ‥)でも、逆に言うと全員が
そういうまっとうに仕事を
果たしている人ではないと
(‥ )ロケットの本を作っておいて
ロケットが飛ぶ原理を説明
できないでおいて、子供ガー
とか愚痴る。強烈だろ?
そして、どんなものごとでも、最初は興味から始まるが、しかし、動機の次に必要なのは技術と基礎だ。
∧∧
( ‥)それを求める相手にきちんと
説明できるか、ですよね
( ‥)化石が出来る仕組みを書く
–□ 例えばの話
死んだ生物の遺骸はそのままでは食べ尽くされ無くなっててしまいますが、食い荒らされない状態、例えば土砂に埋もれるような状態では残る場合があります。川が海に出れば流れはゆるやかになり、運んできた土砂は沈みます。こういう場所で遺骸が埋まり、保存され、そして土地が隆起してさらに浸食されると、かつて地中に埋もれた生物の遺骸が人の眼に触れることになります。
∧∧
( ‥)子供向きの本ではこれでも
十分かもですけどね
(‥ )間違いではないけども、
省略があるんだ。そして
その省略が落とし穴になる
例えば以前書いたこんな
馬鹿話のようにね=>*
時々、思う、周期的絶滅説、あれは仮説自体としては確かにあって、科学の世界ではこれをめぐって議論になった。いわばひとつの論文が多くの他の研究を生む、それが反論でも欠点の指摘でも賛成であれ、みんなの業績を上げることに一役かったことは事実。それは科学にとって有意義なんだろう。実際、この議論から明らかになったことは幾つもある。
それ自体は事実。
∧∧
( ‥)でも、サイエンスライターや
科学ジャーナリズムがこれを、
しかも上っ面だけを取り上げた時
( ‥)あれはね、センスオブワンダー
がもたらした最悪の結果の
ひとつだと思うよ。
だから売っちまったんだろう? センスオブワンダーだったから
だから買っちまったんだろう? それがセンスオブワンダーだったから
だが、事実は、あるいはより妥当な仮説はセンスオブワンダーではなかった。そこにあったのはもっとつまらない結論であり、しかしそれは古生物学や地学にとってはるかに深刻なもので、緩慢に作用する浸食の恐ろしさだった。長大な時間さえあれば、この宇宙では予想もつかないことが起こる。
∧∧
( ‥)大事なのは技術と基礎
なんだと
(‥ )なんでもそうだろ?
興味だけじゃすぐに
行き詰まるからな
そして、必要とあれば、子供にそれを具体的に説明できるのか、それが問題。
必要があったのにロケットの原理を説明できないのは論外。
だがそんな連中が本を作る現場にもいるという現実
技術と把握が不十分である時、たぶん、僕らはセンスオブワンダーという見た目は派手だが、薄っぺらなメッキに逃げ込むだろう。そして事実逃げた。売った、買った。
∧∧
( ‥)スポーツで汗をかくって
すばらしーだろー
としか言えないコーチ
(‥ )言ってもいいし、
いてもいいけど、それだけ
じゃ困るよな。