2012年7月12日木曜日
渦巻く彼ら
*の続き
ある国では警察と地方権力者が結構好き放題に悪さをしたり、身内の犯罪をかばうと言われる。彼らには彼らなりの苦労があるが、そりゃあ不正もある。国民も当然、それに黙っていないで暴動を起こし、時には焼き討ちをして要求を通す。
∧∧
( ‥)なんか、その場合、あの国の
民主化も近い、と言われたり
しますよね
(‥ )同じこと、日本でやると
民主化、とか言っていた
連中も、日本は法治国家で
犯罪だ、犯罪だ
っていったりするけども
ああ、残念。法治国家ではあるけども、別に法律そのものが統治するわけではない。法律それ自身ではまるで無力で意味がない。
実際、2つの事例は違法という点ではどっちも同じなのだ。民主化するから良い、法治国家だから悪いもなにもへったくれもない。欧米諸国の介入の結果なんだか、民衆隆起の火事場泥棒だったのか知らないけども、カダフィ大佐もそうだった。血まみれのまま引きずり出され、殴られ、蹴り飛ばされ、リンチを受けて殺され、死体はさらしものになったのだ。
∧∧
( ‥)大佐からしてみればあれは
違法以外なにものでもない
ですよね
( ‥)革命はすべからく違法だよ
ちゃっちゃと銃殺されて
ガラス玉みたいな目ん玉
ひんむいてさらし者に
されたチャウシェスク
だって、自業自得でも
形だけの裁判したにしても
不正規に殺されたのだ。
∧∧
( ‥)でも、結果オーライだと
(‥ )法律や法治国家を凌駕する
何者かが法律の底に
渦巻いている
彼らがそれを是とすれば、それは是なのだ。
決めるのは法律ではない。彼らだ。
世界の支配者達だって、究極的なところ彼らには逆らえない。いかにコントロールしても時々、身じろぎして誰かを食いつぶすし、飽きると政治家を干し上げ、怒ると凄惨に引きずり回してなぶり殺しにする。
∧∧
( ‥)民衆、人間の集団、
エゴの均衡が作り出す
打算と欲望の渦巻きですね
( ‥)法律だのルールだの
その渦巻きの表面に
浮かんだ上っ面だからな
実際、法律やルールは約束事、でしかない。それは人間集団の挙動を説明する理論でもないし、仮説でもない。それ自身では、ただの無力な抜け殻。
∧∧
( ‥)でも、法律こそが絶対と
信仰する人もいるのだと
( ‥)数十人に1人はいるけど
–□ あれは興味深い性質でね
説明能力がないルールを
振りかざす。それが現実と
乖離しても気にしないし
必然的に現実を破壊し
始めるのだよな
まあ、人権ガー、とか言い立てている人が、しばしばひんしゅくを買うのもそのせいなんだろう。
考えてみれば大半の人間は不法、無法、横暴、暴虐を見た時、人権ガー、なんて言ったりしない。ひどい!! 見過ごせぬ、許すまじ と言うのだ(そもそも人権がこの世界にある実体なら、三国志の劉備玄徳も暴利をむさぼる地方長官を人権ガーと批判したはずだ)。
∧∧
( ‥)相手の子供も人権があるから
ひどいことしちゃだめよ
なんて言いませんからね
(‥ )人権も所詮は人間の発明品で
その根底には相手に感情移入
するとか、困っている仲間を
見ると手を差し伸べようとする
とか(*サルでは非常に珍しい)
そういうプログラムがある
そう思えばいい。
雑な言い方をすれば、それが本質なのだ、とも言える。
裏切り者は許すまじ、敵は倒せ、仲間は助けろ、ずるをしたいが、他人のずるは許せない、そういう色々な打算や欲望、配慮やおせっかい、残酷と敵意と優しさがぐるぐると渦巻いて均衡状態を作り、時にそれは動き出す。そういう時、上っ面の人権ガーと理論でもないルールを振りかざしたところで、彼らは同意も考慮もしないだろう。