2019年6月25日火曜日
要するにファンタジー作家は現実に屈服したのである
∧∧
(‥ )郷愁にかられた
\‐ ファンタジー小説家は
昔のファンタジーは良かった
今のファンタジーは
魔術学校とか
魔術体系とか
理屈ばっかりと愚痴る
(‥ )いつも思うけども
だったら表に出てくるなよ
カス野郎ってやつだ
魔法は闇と影にいた。闇と暗がりと秘匿の場所に何百年もいて、徐々に成功を収めて、しかし成功すればするほど魔法ではなくなり、最後は化学になって学校の授業になった。
∧∧
( ‥)その学校が嫌で魔法に
逃げた
学校から逃げて
ファンタジーの世界に
向かったというのなら
再び闇に帰れば
良いだけの話
狭間に帰れば良いだけの
話なのである
(‥ )ファンタジー小説家は
表に出てきた時点で
間違いだったんだよ
舞台を町の中にしたことが間違いだ。
舞台を人々の笑顔、働く毎日、に設定したのが間違いだ。
ファンタジーは本来、そういうものではない。
ファンタジーは闇のものである。
魔法は闇のともしびであり、それが明るい光の苦しい現実に這い出たが最後、魔法はどうしてもご都合主義になり、それゆえに現実に縛られる。
ご都合主義のままでは現実と折り合えなくなった魔法は、その力の多くを失い、学校で学ばれ、制御される存在となる。
∧∧
(‥ )さもなければゲームと同様
\‐ ゲームバランスの枠内に
押し込められて物語と舞台が
破綻しないように設定される
(‥ )同じことだよ
現実を侵犯した魔法は
現実という
ゲームバランスに
従うものとして
調整されねばならん
その結果が今時のファンタジーにおける魔法学校であり、そして魔法の体系。そもそも今のファンタジーはむしろゲームに重きを置いているだろう。
それが嫌だとか生意気を言うのなら、ファンタジー作家はさっさと闇の世界に帰ればいいではないか。
魔術の本来の故郷。現実の隙間、人の心理のわずかな不安、空間と時間の境界線とそこにある亀裂。そうした闇と秘匿の世界に帰れば良いだけではないか。
なぜ文句を言うファンタジー作家は文句を言うだけで闇に帰らない?
∧∧
( ‥)なぜ帰らない?
(‥ )ゲームの影響が強すぎて
ゲームなファンタジーしか
売れないからじゃね?
文句を言うだけで帰らない。それは帰れない壁があるということだ。
ファンタジー作家は文句を言うだけで、魔法の本来の領域、自由な闇と狭間の世界に帰還しない。
それは、売上という現実の壁があることを示唆している。
ファンタジー作家は現実に屈服したのである。
今、ファンタジー作家があげる声とは、現実に押しつぶされた作家の絶望の声である。