2017年9月19日火曜日
理系の資本は体力です 起きているのはそれだけの話
∧∧
(‥ )京大のiPS細胞研究所が
\‐ 寄付をつのっていて
日本はノーベル賞をとった
研究者が率いる組織にも
十分な金を回さないのか?
とネット騒然
(‥ )構成員が291人
予算が80億
仮に全構成員に一律に
年間200万を支給すれば
それだけで6億かかるのか
∧∧
(‥ )まあ実際は人件費だけで
\‐ それ以上いくし
電気代だの消耗品だの入れたら
大変なことになりますからね
(‥ )細胞の培養だのなんだの
大量にやってるわけだからね
そりゃあ寄付もつのるか
別の某組織をのぞいてみたら、そちらは1000人に対し、予算が350億だった。単純に人数に対する予算額で見れば、iPS研究所よりややめぐまれているようにも見える。だがしかし彼らが扱っている機械群やその維持費、運営費は圧倒的に膨大であり、これをならせば多分、あまり変わらないだろう
∧∧
(‥ )それを考えれば
\‐ iPS研究所は普通に扱われて
いるのでしょうね
(‥ )それでもその予算額以上の
ことをしたい
なんとかして必要経費を
ひねり出したい
そう思ったら
寄付をお願いしますだな
∧∧
(‥ )ようするにこの話は
\‐ それだけの話なのでしょうな
(‥ )iPS研究所の山中教授は
ノーベル賞を
受賞してるから
寄付をお願いすれば
集まりやすいだろうしね
実際、ノーベル賞受賞者が率いる研究所が寄付に頼らざるをえないとは、一体、日本の科学行政はどうなってしまったんだ?? といぶかり、怒り、便乗して、日本は衰退しましたー! とか色々様々な声が上がったわけで、効果はてきめんである。
∧∧
(‥ )まあ中には
\‐ ノーベル賞の人がいると
寄付が集まりやすくて
良いなあ…
と正直な感想を
言う人もいるけどね
(‥ )正直というか現実論だな
ノーベル受賞者の役割って
まさにそこだからね
偉大な発見は本人の努力の成果ではあるが、それに行き当たったのは偶然だ。砂金を見つけるのは見つける努力が必要だが、しかし同時にそれは偶然。
なればノーベル賞受賞者とは、当選交換済みの宝くじのようなもの。
換金が終わった後の宝くじと同様、そこに残るはご利益なのである。
すなわちそれは神。
神が望めば、賽銭投げるはしごく当然なり。神なる者の役割とはかようなものぞ。
∧∧
(‥ )まあこう言うと
\‐ 問題はそこじゃないんだ!
すぐに金にならない研究に
金を出さない
日本の構造的なー!
とか怒りだす人がいるけどね
(‥ )問題?
俺たちの目の前にあるのは
ただの現実だ
そして
かの人は現実に対応して
寄付をつのった
それだけのこと
問題などというものは
いつでもそこにあるが
絶えず存在しないものだ
問題はむしろ、問題だと言いつのって現実から目をそらすことにこそあるだろう。
現実は単純である。
すべての列強が闘争に必要な技術と、その維持構築に必要な予算を望んでいる。
しかし現実の経済はそれを許さない。
この二つの力の均衡点へと全ての列強は収束することになるだろう。
問題などどこにも起こっていない。
起こるべきことが起こり、収束するべき状況へと収束する。起きているのはそれだけだ。
∧∧
(‥ )そういえば山中教授は
\‐ 寄付のためにマラソンに
参加したりしてたよね
(‥ )ああ日本人でも
それをやる人いるんだ
体張ってるなー
と思ったものさね
海外の恐竜研究者が遠征費用捻出のためにシカゴマラソンに参加した事例が以前あったので。
∧∧
( ‥)遠征も金がかかるからな
(‥ )理系の資本は体力です