2017年6月28日水曜日
モイ・トーマスの憂鬱
27日。散歩へいくと山の麓、橋のたもとからカワセミを見ることができた。キュキーキュキーとでも言えば良いのか? カワセミ特有の声を聞いて、あわてて覗いたら青く輝く小さな姿が一直線に飛んでいくのが見えた。川沿いの崖から声がずっとしていたから、もしかしたら子育ての最中なのかどうなのか。
その27日の夜は一時の豪雨に見舞われた。
そしておかしな夢を見た。自分は売れないイラストレーターで…
∧∧
( ‥)事実やがな
(‥ )いや現実とは
境遇がちょっと違うのよ
夢の中の自分は見たことも無い部屋で生活しており、こたつに入って画集を読んでいる。それは小さな画集だが見たこともない画家がぞろぞろ並んでいた。特に目を引かれたのはいつも同じ構図で田園風景を描いている作家なのだが、これが奇妙。
その画家が描く風景はなぜかいつも夜だ。あるいは夕暮れの最後である。
必ず地平線があり、そして必ず樹が描かれているが、どれも葉っぱがない。どうも季節は冬らしい。
そして全てではないが、絵のどこかに顔が描かれているものがある。
ある絵では風景の右にある夜灯りのついた遠景の家とシルエットの樹が顔を作っていた。
あるいは、ある絵では風景は抽象化が進んで、樹らしき記号が生えるのみである。
起きてからうろ覚えで描くとその2枚とはこんな。実際には油絵特有のぬめっとした塗り方だったのだが、描くとこんなである。
∧∧
(‥ )上の絵が
\− 右に顔があるってやつだね
中央の木々らしき背景が
白いのは何?
(‥ )モイ・トーマスが言うには
木々の揺れる様を
あらわしたものだとさ
∧∧
( ‥)モイ・トーマスって
誰だよ?
(‥ )知らんよ
画集に書いてあった
画家の名前だよ
モイ・トーマスなんて画家は知らんがな。
ちなみに下の絵には妙なタイトルがついてた。II-2_III みたいな、ローマ数字とハイフンとかを組み合わせた、いかにも中二病っぽい題名。
∧∧
(‥ )これはあなたの脳内での
\− 出来事でもあるのですぞ
(‥ )俺、やべーのかなあ
ちなみに夢の中の自分が描いた絵も見ることができた。巨大なナマコのような宇宙戦艦みたいな何かに目玉が幾つもついていて、それが大空を軽やかに飛翔している絵。
∧∧
( ‥)そりゃ売れんわ
(‥ )夢の中の俺
現実の俺より腕が
良かったけどね
だが、あの絵はないだろう。