2016年8月26日金曜日
フレアの惑星
地球に一番近い恒星、プロキシマ・ケンタウリに地球型惑星が見つかった、という話。
∧∧
(‥ )地球サイズの惑星を
\− 見つけるのは難しいし
幾つも前例があったように
この惑星もノイズだったと
存在が否定されるかも
しれないけど
(‥ )まあ取りあえずあると
考えてみようか
問題は、プロキシマ・ケンタウリがフレア星、つまり時々爆発的に光度を増加させてエックス線を放つ赤色矮星であることで。
∧∧
( ‥)あなたが以前書いた
赤色矮星の動植物を
想像してみようって本の中で
これについては
論じていなかったよね
(‥ )参考にした赤色矮星が
誕生から長い時間過ぎていて
もうフレアとか
起こさない星に
なってたからだよ
盛んにフレアを起こす星はまだ比較的若い星なのだそうだ。
∧∧
(‥ )海外ではそういう
\− フレアを起こす赤色矮星と
その惑星にすむ生物を
想像してみたドキュメントが
あったよね
(‥ )2005年に作られた
Alien Worlds ってやつな
日本語だと
「ETのすむ星
惑星オーレリア」だね
惑星Aureliaの沼沢地帯に生えるStinger Fanは傘のような葉っぱを広げる植物みたいな動物みたいな何かだ。
=>https://www.google.co.jp/search?q=alien+worlds+aurelia&biw=834&bih=703&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiQxZ7is93OAhXGoZQKHfOJDIoQ_AUIBygC…
そして太陽がフレアを起こし、大量のエックス線や紫外線を放つと葉を閉じて身を守るのである。
∧∧
(‥ )まあ地球でも筋肉はあるけど
\− その場から動かない固着性の
動物がいますし
光合成能力を獲得した動物も
いますからね
スティンガーファンは
無理のある発想では
ないですね
(‥ )それに生命誕生の初期から
そんな環境にいれば
植物だって緊急避難の
手段を進化させるからな
ほとんど動かないが
いざとなれば動ける植物が
進化してもおかしくは
ないよね
制限があるとしたら、光合成ではとことこ動き回れるほどのエネルギーを得られないから、動作するにしても必要最小限でしか動けない、ということであろうか。
∧∧
(‥ )筋肉のように質の良い
\− ものを持っていると
敵に狙われるしね
(‥ )植物は動かずに自重を
支えるという条件を
満たしている
その結果がセルロース
なんていう強固で
食えない化合物によって
細胞を細胞壁で覆い
体を固めてしまうという手だな
考えてみれば、光合成を行う能力を獲得したのに、それでもなお細胞が柔軟で動ける生物、例えば藻を共生させているサンゴのような動物は、いずれも水中生活者ではなかったか?
∧∧
( ‥)水中だと自重を支える必要が
ほとんどないしね
あるいはサンゴのように
体を支える骨格と
軟体部とそれを動かす筋肉が
完全に分離してる
(‥ )それを考えるとあれだな
浮力のない地上で
紫外線やエックス線の
フレアに対抗するには
動くのではなく
単純に落葉するのが
一番良い手なのかもな
自重を支えるのなら組織は固くなる。あるいは骨格と筋肉を完全に分離するにしても、そんな膨大な炭酸カルシウムをどこから調達すれば良いのか? 水中なら水が元素をどこにでも運んできてくれるが、陸上では無理だろう。
∧∧
(‥ )フレアが起こると
\− 葉っぱを焼かれた植物は落葉し
動物は…死んでしまうですか?
(‥ )どうだろうな?
一度に暴露される
エックス線の量を
もっと詳しく調べないと
なんともなあ
生物はエックス線などで生じた遺伝子の破壊を修復する能力がある。これ、本来は酸素による破壊を修復する能力のはずだが、こういう応用も可能だ。人間が放射線に対する抵抗力を持つのはこのためで、この機能を喪失した人はレントゲン検査のような被爆にも耐えられなくなる。
∧∧
( ‥)プロキシマケンタウリのように
フレアを起こす赤色矮星を
太陽とあおぐ動物達は
エックス線に対する
抵抗力が増大しているのかも
しれないし
(‥ )フレアが起こると死んで
そこで卵を産む動物も
いるだろうな
卵だったら、条件付きではあるがエックス線に対する抵抗力を飛躍的に増大させることも可能だ。
∧∧
(‥ )大きな動物はどうなんです?
\−
(‥ )大きくて寿命の長い動物は
エックス線のフレアとか
にさらされると
健康ではあっても
癌になる危険が増大すると
思えるけどな
フレアの頻度にもよるが、フレアを起こす赤色矮星とその惑星には、人間やサイ、ゾウのような長寿命で大型の動物はいないかもしれない。