2016年6月29日水曜日
実は皆、死にたいだけなんだというロマン的解釈
癌はこうすれば治る。
自分の命がかかっている時でさえも人はかように手を抜いて安易な解答へ飛びついて死ぬ。
ここから次のことが結論できよう
人間の望みは死ぬことである。人は本当は死にたいのだと。
なれば答えは明瞭だ。
物書きは読んだ人間が死ぬ本を書くべきだ。
人は死ぬことを誠心誠意望んでいる。なれば望みに答えて親切をほどこすまで。
∧∧
(‥ )まあ実際はそんなこと
\− あるわけないよね
(‥ )人が生きようという
意思を持つ…
というかむしろ
人は死を恐怖し
必死に回避する
と言った方が良いか
それは
この宇宙では生が
不自然だったからだ
放っておいても存続するものに死に対する恐怖は無いし、そんなものは進化しない。
ちょっと気を抜くとあっという間に死んでしまうほど不安定で不自然だから死を恐怖する。
つまり死を恐怖するとは、生が不安定であることの反映であり、生が不自然であることの証明だ。
∧∧
( ‥)ということは
人間が死を望むことは
ありえないのですよ
(‥ )そんなことを
望んだらあっという間に
二酸化炭素と水という
安定解に崩壊して
しまうからな
するとこうなる。冒頭の自信満々な断定と裏腹に、人は死ぬことを望んではいないのだと。
∧∧
(‥ )というか
\− ”死にたいからあなたたちは
癌はこうすれば治るとか
読むんだろ?” とか
言ったら
インチキ医療に騙された
人たちは
激怒するでしょうな
(‥ )激怒な
怒るのは懺悔してからに
してもらおうか
インチキ医療本を買った時、お前は印税を著者に支払い、彼が次の犠牲者を出す援助をしたのだ。
分かるか? お前の手はもう真っ赤じゃないか。
かように理論上そうなるからには、怒る前にまず懺悔しなければならぬ。
私は人を殺す手助けをしてしまいました。それは私の頭の不徳のいたすところでありますと。
まずは懺悔だ。懺悔が必要だ。
公開懺悔だ。そして責任を取るべし。そうでなければ筋が通らぬ。話はそれからだ。
まあそんなどうでもいい話は置いておいて。
∧∧
(‥ )実際にはもっと単純な
\− 理由なんだよね
(‥ )例えば
俺、健康診断に
いってないからな
理由はあるが
死ぬだろうね
目先の安泰に逃げて長期的に自分を殺す。これは普通のことである。
インチキ医療に人がひっかかっておっちぬとは、単に目先の利益を優先した結果だ。
遅刻すると分かっていても寝坊する。
それと同様、自分の命がかかっているその時でも、人間は脳を全力回転させない。
高い本よりも安い本を読み、難しい医療本ではなく”分かりやすいインチキ”を選んでしまう。
なんのこっちゃない、脳に回すカロリーをケチった結果ではないか。
∧∧
( ‥)人の脳は重量の2%程度しか
占めていないのに
新陳代謝の1割り2割りを
消費しますからなあ
(‥ )脳はエネルギーを
馬鹿食いする
考えるってのは命に
関わることだからな
そりゃあ手を抜く
だがそれゆえに我らは選択肢を誤り、死ぬ。
もちろんそれでも良いのだ。短期的に生き残れば今は死なないですむ。それで十分だったのだ。これゆえ、長期的な死を回避する力を人間は進化させなかった、多分それだけのこと。
とはいえ、しかし、それでもなお疑いは残る。
本当はみんな、死にたいんじゃないのか?
そして一番皆が望んでいる本とは、読んだら死ぬ本じゃないのか?
人が死ぬ本を書くことこそ、親切ではないのか?
∧∧
( ‥)生が不自然なこの宇宙で
そんなことはありえないと
判断していてもなお
その可能性を疑うか?
( ‥)たぶん夢があるから
−/ なんだろうな
馬鹿なんじゃなくて、バグっているわけでもなくて、本当は死にたいだけなんでしょ? という解釈には夢とロマンと救済がある。
多分、それに惑わされているだけなんだろう。
∧∧
(‥ )夢を持つな希望を持つな
\− というのがあなたの
持論でしょうに
(‥ )うむ
だからこれは気の迷いだ
なにかこうあれだ
疲れてるから
気持ちが
弱くなっているのかもな
人間、疲れるとロマンチックなことを考えるものである。