2016年5月28日土曜日
即物的なことには霊感が降りてこない
例えば曰く、
日本人が賢いのは、ひらがな、カタカナ、漢字、訓読み、音読みを使うからだ!
∧∧
(‥ )こういうことを言う外国人は
\− 実際にいるし
これを真に受ける日本人も
いるし
日本スゲーで
今でも引用される
事柄でもあるよね
(‥ )しかしこれ自体は
日本が高度経済成長して
向かうところ敵なしで
破竹の進撃をしている時にも
言われたことなんだよな
30年あまり前、そう言われた当時、思ったものだ。
ああ、世の中、馬鹿が多いんだよな、そんなわけないじゃん。
そして日本はバブルが崩壊し、そして今の現状である。
∧∧
( ‥)日本の躍進は単に
人件費が安かっただけである
(‥ )もちろんそれ以外にも
理由はあるな
人件費が安くても
工業化が進んでいなかったり
その基礎がなってないと
先進国にはなれん
とはいえ、以上の日本スゲー論がたわ言であることは確かだろう。まあ実際に特異な表記方法ではあるのだ。表意文字と表音文字がごちゃまぜになっていて、日本本来の読みと中国由来の読みが並立しているという言語は、確かにちょっと珍しい。
*そういえば昔、日本の漫画に興味のあるイタリア人に日本語の表記を説明したら驚かれたことはある。表意文字があり、表音文字があり、表音文字にも2種類あり、漢字には読みが複数あり、そして漢字を表音文字として使うこともできる。だから例えば、よろしく、でも良いし、ヨロシク、でも良いし、夜露死苦、でも良いのだ、夜露死苦はイレギュラーな使い方でマフィアの子分が使うものだが、読みと意味は分かる、と説明したら、相手は目を丸くしていた。確かに表音アルファベットだけを用いる文化では考えられないことではある。だからこそ、日本語のこのような表記に驚いて、なにかしら霊感を受けてしまう人間がいること、これ自体はもっともなことではあろう。
∧∧
(‥ )珍しい表記であること
\− これ自体は事実なんだよね
かつては
古代メソポタミアのように
表意文字と
表意文字を表音文字として
使って送り仮名をつける
という表記も
あったのだけど
*日本語で言うと漢字で漢字の
送り仮名をつけるやりかた
これは日本でも一時あった
表記方法
(‥ )だけどアケメネス朝
ペルシャ帝国が
成立した時には
楔形文字を用いた
表音文字だけに
置き換わっちゃった
みたいだよね
かつてメソポタミアにあった日本語のような表記は既に失われた。だから日本語の表記が特異であることは事実。しかし特異だから優秀だってことはない。
そして日本語の表記が特異だから日本はすごい、というのは霊感によるたわ言。
なれば、このことを踏まえれば、逆にこうも言える。
これだからアメリカは優秀である。
これだから中国は優秀である。
あるいは反対にこれだから日本は駄目である。
これら全部もまた、ただの勘違いで、霊感に打たれて思いついた、たわ言でしかないのだと。
∧∧
( ‥)世界を支配するのは
人件費とか
そういう即物的で
つまらない事柄なのである
(‥ )人間おかしなもんで
そういうものには
霊感が働かないのな
どういうわけか、人間は即物的なことではなく、どうでもいいことに霊感を刺激されるらしい。なぜなのかは分からないが、どうもとにかくそのようである。