2015年3月24日火曜日
ミームの戦い
reblogする時、ほー、とか、お前のどうでもいいコメントなんかいらん
∧∧
(‥ )...とお怒りだと
\‐
(‥ )評して曰く
優れたミームにくっつく
寄生虫だとさ
∧∧
( ‥)優れたミームねえ...
(‥ )何を優れていると
言うのかはともかく
ミーム、つまり人々の間を伝播していく考えや言葉や思想や詩や画像のことである。生物の遺伝情報を伝えるジーンと対になるものとして作られた造語だ。遺伝子が交配する生物の間で飛び交う情報であるように、文化もまたミームとして人々の間を飛び回り、増殖し、あるいは死滅し、あるいは変異して爆発的な感染力を示すこともある。
∧∧
(‥ )例えばtumblrってあれだね
\‐ 参加者全員が個体というより
ミームを伝播させる
媒質になった状態かもね
(‥ )波を伝えるのは水であり
ミームを伝える媒質は
人間なのだ
つまり冒頭の言い様とはこうである。
reblogは抜粋され選ばれたミームであり、媒質の間を伝わっていくものである。それに、ほー、とかどうでも良いようなコメントをつけるお前の行為は、ミームにただ乗りしている寄生虫ではないか
そういうことになろう。
∧∧
( ‥)ミームは増殖さえ出来れば
良いのだから
寄生虫でもただ乗りでも
良いわけでしょ?
デマなんかは感染力が
強力なミームだよね
(‥ )ただあれだ
人間もネコもノミが
嫌いであるように
寄生虫は宿主の体力を
そぐから
それを排除するように
僕らは出来ているって
ことだろうな
多分、それがミームであっても同じなので、それで冒頭のようなものを人は嫌うのであろう。
*reblogの時に余計なコメントを削除すれば良いようにも思えるが、そういう機能があれらにあるのかは知らない。
それにしてもミームというと懐かしいものでもある。
∧∧
( ‥)あなたが小学生の頃
口割け女の噂話が
猛烈な勢いで蔓延した
( ‥)怖かったよなあ
‐□
でもだんだんと話に尾ひれがつくにつれて、怖いというよりも、それっておかしくね? という感じになってきた。車よりも速い、という話と、陸上部員だけが逃げ切れた、という話を聞いた時にそれを感じたし、実は3人姉妹である、赤いスポーツカーに乗っていると聞いた時には、そりゃなかろうと思った。
そして夏休みに入り、休み明けになると、口割け女の話は消えていた。
∧∧
(‥ )昔は夏休みになると
\‐ 本当に子供はバラバラに
なっちゃいましたからね
(‥ )ミームの媒質である
子供のネットワークが
ごく小さい単位に
分割されてしまうのだ
今から思えば潮時だったのだろう。矛盾する話が出たり、キャラが増えたり、これって長期連載で設定が破綻した漫画やラノベと同じ状況である。潮時だったのだ。そうして夏休みに媒体である子供たちのネットワークが一旦解消されると、彼女は雲散霧消した。
∧∧
( ‥)媒質が無ければ
水の無い波も同然
(‥ )あの夏
彼女は死んだのだ
ネットワークを破壊され、体を引きちぎられてしまったのだ。あの夏休み、彼女は悲鳴を上げたであろうか? 上げたにしても叫び声は聞こえなかった。それとも、暑い夕暮れの道で虚ろに響く彼女の悲鳴を自分は聞いたのであろうか? あるいはこれが潮時と身をゆだねたであろうか?
まあ、今でも断片が人々の間に残っていて、時々、このように話題になってちかちかと姿を見せるのである。多分、彼女は分割されて、みんなの思い出の中で永遠に夢を見ながら眠っているのだ。