2014年7月6日日曜日
私たち自身の現状の理解がまったくトンチンカンである可能性
∧∧
(‥ )つまるところ
\‐
(‥ )つまり自分が実際に
その業務を行うことを
考えるとだな
自分が都市国家の住人であるとする。
戦争だ! そう言われれば武具を買って武器を買って、そして戦列に立つことは可能だろう。
∧∧
( ‥)昔の戦争って過酷だけど
戦死者はそんなに
多くないよね
まあ、いってらっしゃい
(‥ )列を組んで
がっちんこがっちんこ
やりあうんだ
怖かろうが
いやだろうが
出来る出来ないで
問われたら
これ自体は
出来る範囲なんだよね
ローマのレギオンに参加せよ、と言われると、どうも怪しくなってくる。数十人で正方形の隊列を組み、それらが集合して巨大な軍団を作り出す。そして号令と指示に従って動け、と言われると、なんか難しそうだ。
∧∧
(‥ )でもこれがねえ
\‐ 領土内に侵入した
ゲルマン人を見つけて
ぶっ殺せ、だとねえ
もはや難しいとかじゃ
ないよね
(‥ )何をどうすれば
良いのか
素人には
さっぱり分からんからな
多分、現地の村々を周り、話を聞き、追跡をするのだろうけども、移動は馬か? 食料はどうするのか? どの程度追跡すればよいのか? 期間はどのぐらいか? しかも相手を見つけたら気づかれずに全員で忍び寄って組織的に皆殺しにするとなれば、これはもう、まったくもって素人には途方に暮れる難事であること疑いない。
つまり、市民軍に帝国の統治は無理だってことになる。
∧∧
(‥ )だけどローマ帝国は
\‐ 当初の理念を喪失し
市民軍を失い
市民も国防意識を失った
そういう批判は
昔からあるよね
(‥ )紀元1世紀の人物
タキトゥスでさえ
ブルトゥスが死んで
国家の軍隊は消えたって
言っているからね
「年代記」(上)pp14
これ自体は共和制を護持しようとした最後の者が死んで、独裁制に移行した事を嘆く言葉だけども、意地悪な言い方をすればなんとも矛盾のある言葉だとも言える。
*注:ブルトゥス、いわゆるブルータスのこと。プルタークの英雄伝に出てくる彼の最後の言葉は、センチメンタルだがどうしようもないもので、読んでいるこちらが頭を抱えてしまうような代物だ。後で述べるように、カエサルの暗殺に成功したまでは良かったが、独裁制に代わる代替案は何も持っていなかったのだろうな、そう思わせるものでもある。
∧∧
( ‥)もはや市民軍でない
軍勢を率いていることが
共和制の護持とは
これいかに?
(‥ )確かにローマの共和制は
世襲議員制だから
その意味では必ずしも
率いる軍勢が
市民軍である必要は
ないんだけどさ
でも古式ゆかしき
ローマ軍は市民軍だよな
おかしいよねえ?
もはや市民軍ではない、食うに困った人々で構成されたプロの軍団。一般人とは乖離した軍隊を率いた人々を共和制を護持した殉教者のように位置づけるのは...これは笑い話ではないだろうか?
∧∧
( ‥)まあ、なんだ
ブルトゥスさん自身
独裁制に代わるビジョンは
持っていなかったからね
(‥ )当時のローマは
□‐ もはや帝国
軍隊はすでに
市民軍ではないし
市民軍ではもはや
国防の役に立たない
しかし以上を踏まえるに
同時代の人たちでさえ
もう都市国家時代とは
置かれた状況が
違うってこと
分からなかったのだな
これは示唆的である。つまり、今現在の私たちの私たち自身に対する理解。これもまた、まるでトンチンカンだという可能性を示しているからだ。
∧∧
( ‥)民主主義は万能だー! と
イラクに攻め込んだり
核の傘の下にいるのに
平和憲法をうたったり
あるいは今さら
徴兵制の必要を唱えてみたり
( ‥)思い当たるふしが
‐□ 山のようにあるよな
これはhilihiliのhilihili: 私たちにも言い分があるということは、分かってほしいの続き