これは夜が明ける前の話
まもなく朝がくる時刻、丘のベンチで夜を眺めていると、ぎゃあ ぎゃあ と声がした
∧∧ フクロウさんだね
(‥ )
‐( ‥)未だに信じがたいけど
赤ん坊のような声でも
鳴くというからなあ
ぎゃあ、ぎゃあ、という声は夜の森を移動して、間もなく、その方角から
ホウ ホウ ホロッホ ホウ ホウ
の声が聞こえ始めた
∧∧ 同じフクロウさんかな?
( ‥)
‐( ‥)そう思えるよねえ
やっぱ同じ鳥が
こんなに違う声で
鳴くってことなのか
ぎゃあ、という声は振り絞るような感じだ。全身の筋肉を使うように聞こえる。
それに対してもっとありきたりなホウ、ホウは喉などを振るわせ、反響させる声に聞こえる
なぜどうして、あんなに違う声で鳴くのか、どういう意味があるのか、それはまったく分からない。
これは夜が明ける前の話