2014年1月6日月曜日
理解の中には確実に致命的な問題が隠れている
∧∧
( ‥)おかしな思い込みや
オカルト的な考え
これを持つこと、
それ自体は悪いこと
ではない
むしろ役立つことすらある
(‥ )ニュートンの
万有引力の法則なんかは
良い例だよね
万有引力というアイデアが提案された時、特にデカルトの考えを受け継いでいたフランスの研究者などは、万有引力の胡散臭さに警戒心を抱いたのであった。
空間を越えて作用する力...これ、魔法じゃね?
デカルトの機械論とは、いわば、力は歯車のような形で伝達されると考える。こういう考えからすれば万有引力とはいかにも胡散臭く魔術的だ。しかし、万有引力は天体の運行を計算し、予測できる。それに数学的に記述してみるとシンプルでいかにも合理的だ。これも機械論でいいか。そういうわけで段々と警戒心は薄まり、ついには無くなったのだが….
∧∧
( ‥)ところがどっこい
黙っていたけど
ニュートンはばりばりの
錬金術士だったのです
(‥ )デカルト派の警戒心は
実は正しかったのだよね
今でも、
万有引力って何? 力が空間を越えて作用するって一体なんなの? 怪しくね?
と疑問を抱く人がいるが、実はこの疑惑はまったく正しいのだ。元のアイデアがそもそも文字通りの意味でオカルトなんだから当然である。
∧∧
( ‥)ところが役立った
( ‥)こういう例は
‐□ ケプラーでも、
多分、
アインシュタインでも
見られることなんだよね
つまり、その人の考えの中にオカルト的な要素があったり、あるいは中二病であっても、それだけで、”こんなアイデアは由来がオカルトだから駄目なのだ”、ということにはならないんである。
あるいはアイデアの正しさは、アイデアの源泉とまるで関係ない、と言えばいいか。
∧∧
(‥ )だからオカルトだから駄目
\‐ なのではない、
そうではなく、
駄目であることが
明らかになっても、
これが正しいはずだ、と
思いを防衛することが
むしろ悪い。
(‥ )間違っていると分かれば
切り替えれば良い。
それだけの話。
でも、これができないと
間違いを糊塗しなければ
ならなくなる
つまり
自己欺瞞に走るわけだ
オカルトがトンデモに
昇格してしまうと
言えばいいかね
おそらく、”分かった”、という動作が持つ、最大の問題がここにある。
例えば今から1世代前。マルクス主義者は獲得形質が存在し、生物は意のままに品種改良できる。それゆえにメンデル遺伝など嘘っぱちだ、アメリカや日本の品種改良はブルジョワ的で間違いである。それは破綻する。そう主張した。
彼らはなおも言った。それに引き換え我々マルクス主義が浸透した農村の成果を見よ! と。彼らにとってマルクス主義に従えば農業生産は無限に増大するはずだから、無限の増大を保証しないメンデル遺伝は間違い以外の何ものでもなかった。
彼らはメンデル遺伝がマルクス主義的でないから間違っていると”分かっていた”のである。
∧∧
( ‥)だが残念。
分かったとは、しばしば
自分の知の体系に情報を
当てはめる
ただそれだけのこと
でしかない。
( ‥)そしてそれは、
‐□ 知った事柄を
自分の思い込みに
当てはめているだけ
なんだよね
それは現実について一切なにも語ってくれていない。知の体系がそこにあるだけだ。
端的に言えばこうである
知の体系などというものはまやかしだ。ただのゴミくずでしかない。そんなものは破壊しなければならない。
知の体系は構築するものではない、殲滅すべきものだ。
∧∧
(‥ )でも知の体系を作り出す
\‐ 本人にしてみれば
物事を自分の思い込みに
次々に当てはめられるから
自分の知の体系自体には
なんの問題も感じないの
ですよね
ひたすら理解だけが
進行してしまう。
(‥ )これが”分かった”が
持つ恐ろしさだな
現実とは食い違いが生じ、
齟齬が拡大しているのに
本人の内部で矛盾は
生じていない
だから気づかないのだ
だから、オカルトであること、それ自体は問題ない。
問題はむしろ、
私は分かっている、これはこうだ
私は理解している、なぜならこうだからだ
こうした理解そのものにある。理解の中には確実に致命的な問題が隠れている。
∧∧
( ‥)そして人は誰しも
オカルト的な思い込みを
持っているものだ
(‥ )保守派とリベラルが
真逆に見えて同じような
過ちを犯すのは
たぶん、このせいだよね
彼らは理解しか持っていない。
理解の中には確実に致命的な過ちが隠れている。理解しか無い人間はそれを無自覚のまま振り回すだろう。
これはhilihiliのhilihili: 誰もがトンデモだが、リベラルは魔法を信じているの続き