2013年1月15日火曜日
まあ、確かに経済の話ですのでね
∧∧
( ‥)どう思います?
( ‥)そーねー
–□
原発が是か非か、この問題は自然科学や技術の問題ではない。道徳の問題でもない。
∧∧
( ‥)単に
(‥ )金の問題だね。
金、といってもこの場合、利権とかそういうことではない。
金銭を介した人の営み。経済の話である。
そういえば昨年、ある人にこんなことを言われたことがある。
いやあ、北村さん。やっぱ原子力が推進されたのは利権だと思いますよ。
∧∧
( ‥)まあ、利権だったら別に
水力でも良いのでしょう
けどね。
( ‥)砂防ダムとかの公共事業の
–□ 金が地元の自治体に還元
されてて、自治体の金の
ほとんどは事実上、
都会で働く
サラリーマンの税金で
成り立っている。
そういう現実がある
利権なら原子力、というのは理屈としては荒すぎる。
あるいは、そもそも利権とはなんぞいや?
∧∧
( ‥)1万のものを100万で売って
差額の一部は天下りのあなたに
給料として差し上げますので、
認可をお願いします
(‥ )まあ、そういうことかな
とはいえ、その事例が具体的にこういうものだ、という話が出てこないと、これが利権だ、とは言い様がない。
∧∧
(‥ )もともと高性能な機械や
\– 特殊な器具は高いですしね
(‥ )大量生産できない、
特殊な設備が必要で
発注されたらまず設備を
整えなくてはいけない
素材が特殊、
当然、加工機械も同様
恐ろしく高額になるよね
大量消費社会に慣れた人には理解できない金額が行き交うのは当然で、理解できないから不当な利益に違いない、と思い込むのも、また当然と言えば当然だ。しかし、少なくともこういう場合、その解釈は間違っている。
*これは実のところ会社員や家計簿をつける家庭の主婦でさえ製品にまつわる経済や単価、原価、純利益を全然理解していないということでもある。考えてみれば当然で、手にする製品の生産や発注、原価やコストの計算をすべて行い、その結果を把握している人や立場はそうはない。現代社会は巨大すぎて、ほとんどの人は自分の周辺しか分からない。同人誌とかを作って痛い目に会った人の方が、そこらの大企業の人や、あるいはやりくり上手の主婦よりもこういうことをよく把握しているかもしれない。そんな状況。
∧∧
( ‥)言うなれば何事も金で
記述することができる。
利権であれ、利権でなし
関係なくね
( ‥)原発反対も金で
–□ 記述できるのよな
つか、原発ぱーんのすぐ後に、こういうこと書いたよな。
∧∧
(‥ )2011年の3月19日に
\– 書いたblog、これですね
=>hilihiliのhilihili: 望め 不安を埋めるために商売人がやってくるだろう
(‥ )パーンした時、
ああ、これは原発本の
ラッシュがくるぞ、と
思ったけども。
まー、予想通り、
出るわ、出るわ、
真面目なのから
勘違いしたもの、
悪質な煽りまで
出る出る。
2012年の前半まで出版界は原発バブルであった。
そしてこういう時、売れるのはてきとーに書いた本なのである。あるいは、あなたの不安は正しいよ、と肯定をささやいてくれる本なのだ。それは3月19日、図書館へ行った時、原発の危険をてきとーに煽った本は軒並み借りられていたが、原子炉の構造、放射線医学、原子核の振る舞いを記述した本はそのまんまであったことが物語っていたし、そして事実、そうなった。
困った時、人は学校の教科書を読み返したりはしない。そうではなく、微分積分がみるみる分かる、とかそういうてきとーな本を読むのだ。あるはもっと悪いと、例えばの話、微分積分は間違っているから学ぶ必要はない、という本に手を出すのである。放射性同位体を理解するために周期表を見たり、原子核の本を読んだりはしない。ゆえに物事を理解することはない。
あるいはこう。
理解したと思っても、それは正しくない。
分かったと思うのは自由だが、分かったから正しい、というのはただの飛躍だ。
∧∧
( ‥)でも、そういうお客様の
分かりたいというご要望に
応じて、分かったと思わせる
本を売るのも、出版界の
お仕事なんでしょ?
(‥ )そりゃそうさ。
なんといっても需要が
そこにあるのだからな
飢えた獣のようにたかるのは当然。
∧∧
( ‥)つまり、原発反対は是か非か
それは自然科学ではなく、
経済の話なんであると
(‥ )ああ、だから自然科学や
技術や工学の話をしても
その手のお客に
突っぱねられるのは当然
だって欲しいものじゃ
ないのだからな。
しかし、これはこういうことでもある。
∧∧
( ‥)経済の話である以上、
損をすると分かったら、
とたん、みなさん放棄すると
(‥ )事実そうなったろ?
先の選挙の争点のどこにも
反原発はなかった。
原発バブルも2012年の
後半には終わっていたよ。
もちろん、経済も究極的には自然の理に屈服せざるをえないから、究極的には自然科学の話なんである。だからこそ行き着く先も、それは最初から決まっていたのだ。
(‥ )今、成功している唯一の
太陽エネルギーは何?
∧∧
( ‥)石油でしょ。
植物プランクトンに由来する石油は、太陽エネルギーを化学的な形に変換したものに他ならない。過去、何百万年、何千万年もかかって蓄積した太陽エネルギーを、燃焼という形で一気に消費しているのが現代文明なのだ。太陽光発電も、風力も、それはその日、その時の太陽エネルギーでしかない。そんなものが成功する道理など、どこにもないのである。
行き着く先は最初から決まっていたのだ。
*ついでにいうと反原発本(あるいは原発推進の本の中にもあるけども)などのおかしな記述ぶりに、自然科学や工学の視点から顔をしかめる人がいるけども、本は経済活動であって、自然科学ではないですから、あまり気にしてもしょうがないです。
*あるいはあくまでも経済的に理解すべき。
続く=>hilihiliのhilihili: 本には色々あるんですよ