2012年11月4日日曜日
チカチカする闇
動物の眼にある光を感じる細胞は、光の有る無しと関係なく、勝手に反応を起こしてしまう場合があるという。
∧∧
( ‥)つまりノイズですね。
ごくわずかなので通常は
問題ないのであると。
( ‥)でも本当に暗い場所だと
–□ 光による刺激がノイズに
かき消されてしまう
そういう問題が
生じてくると。
本当に暗い場所だと、物の輪郭がとらえがたくなってくる。
∧∧
( ‥)それはノイズというよりも
光が少なすぎて、いわば
視界の画素というマス目が
埋めきれない状態では?
(‥ )歯抜け状態でね。
ただ、確かに本当に暗いと
妙なんだよな、なんとなく
見えるのだけど、完全に
暗黒であろう闇なのに
ちかちかしてくるというか
なんていうの? 映像がざらつき始める感じ。
∧∧
( ‥)まあ、それがノイズかどうかは
分かりませんが、そういう
感覚になったことは
ありましたね。
( ‥)神奈川県の中央なんて、
周囲が大都市だから、
街の灯で空が明るくて、
闇なんてまずないんだが
その時は空がきれいに晴れていて、空気もすみ、暗く、街の灯の反射は少なく、月も無く、そして夏で森の樹々の葉はうっそうと茂り。
(‥ )ほとんど漆黒なんだ。
だけど慣れてくると
わずかに見えるんだ。
近くの樹は真っ暗な影
そこから離れるに従い、
風景は黒に近い灰色に
”明るく”一様に溶けて
いくように見えて、事実
自分の手をかざすと、
真っ暗な影に見えて
手があるらしい、
それが分かるんだよ。
∧∧
( ‥)でも足下は何も見えず、
立っているのがどこか、
前がどこか、上下は何か?
よく分からなくなりましたよね
そして風景は、妙にざらついていた。溶けるような闇と黒に近い灰色のはずなのに、のっぺりとはしておらず、なにかそれはチカチカと。