2017年2月23日木曜日
元のペンギンの話
4万年あまり前、人類は投槍器と弓を作った。これにより人類はついに生存競争の均衡を打ち破った。かつて一度はホモ・サピエンスをはじき返した最強のライバル、ネアンデルタール人を撃破し彼らを絶滅に追い込むと、ホモ・サピエンスを阻むものなど存在せぬ。人類は急激に分布を拡大した。特に2万年前の氷河期終了と時を同じくして始まった新世界への人類侵入は、WW2におけるドイツの電撃戦に例えられる。圧倒的な人類の力にすべての存在が屈服し、それまで地上を支配した巨獣のほとんどすべてがわずか2万年の間に一掃された。
∧∧
( ‥)全部食っちまった
(‥ )そりゃそうよ
当たり前でしょ
止められない
止まらないですよ
人類は、あと数世紀で地上のほぼすべての動植物を抹殺してしまうはずだ。彼らを構成していた炭素や水素はすべて我々によって食い尽くされ、人体に変換される。その時、地球は人体と機械で構成されたサイボーグの惑星になるのだ。これを阻止するのは不可能であり、すべての絶滅は規定事項である。
∧∧
(‥ )とはいえちょっとこれは…
\− と思う事例もあるよね
(‥ )オオウミガラスは
なんかこう悲惨なんだよな
オオウミガラス。見た目はペンギン。というかそもそもペンギンという呼び名は本来この飛べない海鳥の名前であった。人類が滅ぼしてしまったので、持ち主がなくなり宙ぶらりんになったペンギンという呼び名だけが、南極の鳥を指す言葉として残ったのである。
オオウミガラスは最初は地中海にもいたという。しかし人類が航海術を持つようになるとこの飛べない海鳥は次々に食われて姿を消した。水中生活をするとはいえ鳥は鳥。オオウミガラスは産卵の時は上陸しなければいけない。そこを狙われたのである。
大航海時代以後、めだって数が減って希少になると博物館が高値で標本を買うようになり、そのためにさらに狩られるという悪夢のような状況。最後のものが殺されたのは1844年。人間が登るのも苦労するような小さな岩の島の頂上で、隠れるように卵を守っていたつがいであった。
つがいは殺され、卵は割られ、そして剥製にされたはずなのだが、どれがそれか不明瞭となった。確実に最後のオオウミガラスのものと分かっている標本はコペンハーゲンの博物館で保存されている内臓と眼球の液浸標本である。
=>https://www.google.co.jp/search?q=great+auk+internal+organs+copenhagen&biw=1024&bih=820&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjat-qa-KPSAhWFx7…
∧∧
( ‥)さすがにどん引き
( ‥)まあ食っちまうのも
−/ 標本にするのも
面白半分に殺すのも
全部同じっちゃ同じだし
この話におもわず
どん引きしちゃうのも
単なる人間的な
感傷でしかないんだがな