2012年6月9日土曜日
科学好きっていうけどプラトン主義者じゃね?
ある物書きがこう主張した。
大演算を充分に短い時間で処理できる画期的なコンピューターが建造されれば、原子、分子のベクトルを計測し、過去も未来も完全に再現できるはずだ
∧∧
( ‥)前提を定理や公理にして
そこから論理的に導かれた
結論は現実と照らし合わせる
必要はなく、正しい、
そういう発想ですね
( ‥)一見すると論理至上主義
とでも言えばいいけども
実際にはめちゃくちゃな
主張なんだよね
原子、分子のベクトルを正確に計測できる、という前提が現実的でないし、正確に計測できた数値やらなにやらが計算で処理できるような数であるという前提も明白ではない(むしろ怪しいっぽい)。仮にすべてが問題なしでも、処理自体が可能であることになるわけでもない(解けることが証明されているわけではない、という意味:世の中には解けないことが証明されている問題がある:数学は僕らが思っている以上に予想外に奇怪で難しい)ということもさることながら
∧∧
( ‥)ベクトルが分かっただけでは
処理できない、シミュレーション
を行うには物理法則を
用いないといけないけども
(‥ )物理法則は観測できうる
物事のごくわずかから
導いた、帰納的な推論
でしかないのよね
それが正しい、まったく正確だ、という証明は不可能(むしろ正確ではない、という証明が可能)
∧∧
( ‥)論理の前提に論理では正当化
できないものがひそんでいる
( ‥)それをさも正当化されて
いるように語ってしまうのは
現実世界の背景には
完璧で調和のとれた世界が
存在するという信念
理由はそれだけなのだよね
つまりイデアだ。
*現実から、”現実とはずれがあるが現実を正確に説明できる方程式”を抽出した、という世界観=>*
∧∧
(‥ )でも、こういうプラトンさん的な、
\– 観測と経験を軽視して、イデアと
論理を過剰に重視する世界観は
2500年あまりも根強く
残っているわけですよね?
(‥ )それを体現したのが先に上げた
物書きの言い様だけども
ネットでこれをすばらしいと感嘆していた人の肩書きが”エンジニア”であったことにのけぞった。
∧∧
( ‥)...エンジニアさんって
こういう無駄な理想論では
やっていけないと思うのです
けどもね?
( ‥)どんなエンジニアなんだろうな?
そして思う。こういう意味では、科学が好き、という人の自己申告はどうも信用できない。あるいは、科学が好き、という言葉は額面通りには受け止められない。
本当に好きなのは科学だろうか? 愛しているのは科学ではなく、プラトン主義ではないのか?